日本近海の海面水温(月概況)

平成30年1月22日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2017年12月)

  • 北海道西方、千島近海では、海面水温が平年より低く、かなり低い海域もみられました(図中A)。
  • 三陸沖、釧路沖では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中B)。
  • 本州東方では、北緯38度、東経144度を中心に、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中C)。
  • 日本海南部では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中D)。
  • 四国・東海沖では、海面水温が平年より低く、紀伊半島の南から東海沖では、かなり低い海域もみられました(図中E)。
  • 日本の南の北緯27度以南では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中F)。
  • 父島近海、南鳥島近海では、海面水温がおおむね平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中G)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2017年12月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2017年12月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

北海道西方、千島近海では、11月下旬に引き続き、海面水温が平年より低く、かなり低い海域もみられました(図中A)。

三陸沖、釧路沖では、下層の暖水の影響により、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中B)。

本州東方では、北緯38度、東経144度を中心に、下層の冷水の影響により、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中C)。

日本海南部では、海面水温が平年より低い海域がみられました。この海域では、寒気の影響により、12月中旬に海面水温が低い海域が拡大しました(図中D)。

四国・東海沖では、黒潮の大蛇行の影響で、海面水温が平年より低く、紀伊半島の南から東海沖では、かなり低い海域もみられました(図中E)。

日本の南の北緯27度以南では、寒気や平年より風が強かった影響を受け、下旬にかけて海面水温が平年より高い海域が縮小しましたが、下層の暖水の影響により、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中F)。

父島近海、南鳥島近海では、平年より風が弱かったことや暖かく湿った空気に覆われたことにより、海面水温がおおむね平年より高く、かなり高い海域もみられました(図中G)。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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