日本近海の海面水温(月概況)

平成28年10月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2016年9月)

  • 日本の東、日本のはるか東では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。
  • 日本海の東経135度以東では、海面水温が平年より高くなっていました(図中B)。
  • 山陰沖から対馬近海では、海面水温が平年より低くなっていました(図中C)。
  • 東シナ海南部、沖縄の南では、海面水温が平年より高くなっていました(図中D)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2016年9月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2016年9月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

日本近海の海面水温

日本の東、日本のはるか東では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。これらの海域では、上旬と下旬の南からの暖かく湿った風の影響や平年より風が弱かったことにより、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。また、釧路沖や本州東方では下層の暖水の影響で、海面水温が平年よりかなり高い状態が継続しています。

日本海の東経135度以東では、海面水温が平年より高くなっていました(図中B)。これは、8月下旬に海面水温が平年より高かったことに加え、9月下旬に平年より風が弱かったことによると考えられます。檜山・津軽沖では下層の暖水の影響もあり、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました。

山陰沖から対馬近海では、海面水温が平年より低くなっていました(図中C) 。東シナ海南部、沖縄の南では、海面水温が平年より高くなっていました(図中D) 。日本海の東経135度以西、日本の南、東シナ海、沖縄の南では、8月下旬後半の強風や9月に次々と台風が通過した影響で、8月下旬の海面水温がかなり高い状態が解消しました。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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