日本近海の海流(月概況)

平成28年7月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2016年6月)

  • 黒潮は、6月を通して沖縄の北西170〜190km付近を流れていました。都井岬では6月上旬と中旬は接岸し、下旬は離岸して流れていました。足摺岬では6月上旬と中旬は離岸し、下旬の前半は接岸し、下旬の後半は離岸して流れていました。室戸岬では6月上旬と下旬の後半は接岸し、中旬と下旬の前半は離岸して流れていました。潮岬では6月上旬から下旬の前半までは接岸し、下旬の後半は離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、6月上旬と中旬は北緯32度、東経139度付近、下旬は北緯32度、東経139.5度付近となっていました。伊豆諸島付近では、6月を通して八丈島の南を流れていました。
  • 親潮は、沿岸寄りの分枝の南限位置は、上旬は北緯42度、東経143.5度付近、中旬は北緯41.5度、東経143度付近でした。沖合の分枝の南限位置は、上旬は北緯40.5度、東経147度付近、中旬は北緯39度、東経146度付近でした。分枝構造がみられなかった6月下旬の親潮の南限位置は、北緯38.5度、東経146度付近でした。親潮の面積は、6月を通して平年よりかなり小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、6月を通して平年よりかなり強い状態でした。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2016年6月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2016年6月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2016年6月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 190km付近 170km付近 170km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30.0度、東南東 北緯30.1度、東南東 北緯29.7度、東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 離岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 旬の前半は接岸、後半は離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸 旬の前半は離岸、後半は接岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 旬の前半は接岸、後半は離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯32度、東経139度 北緯32度、東経139度 北緯32度、東経139.5度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島の南 八丈島の南 八丈島の南
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
その他の顕著な現象 南大東島の南西では、6月上旬と中旬に北緯24.5度,東経129度付近、下旬に北緯24.5度、東経128.5度付近に暖水渦がみられた
遠州灘では、6月を通して時計回りの暖水がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2016年6月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯42度、東経143.5度付近(図中A) 北緯41.5度、東経143度付近 北緯38.5度、東経146度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 北緯40.5度、東経147度付近 北緯39度、東経146度付近(図中B) なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯39.5度、東経147度付近 特にみられない 北緯42度、東経143.5度付近
親潮の面積(※4 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経142.5度付近(平年並)(図中C) 東経143度付近(平年並) 東経142.5度付近(平年並)(図中C)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯36度付近(平年より南)(経度は東経142.5度付近)(図中D) 北緯37度付近(平年並)(経度は東経142度付近) 北緯37度付近(平年並)(経度は東経142度付近)
その他の日本の東の海流 釧路沖から三陸沖では、6月上旬と下旬に北緯41度、東経145度付近、中旬に北緯40.5度、東経145度付近に暖水渦がみられた
本州東方では、6月上旬に北緯37.5度、東経145.5度付近、中旬に北緯37.5度、東経145度付近、下旬に北緯37.5度、東経144.5度付近に暖水渦がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部から隠岐の北を北東に流れていた
能登沖の北緯39度、東経134度からは東に流れ、佐渡島の北の東経138.5度付近を北に流れ、北緯41度付近から東に流れて、津軽海峡に達していた
若狭湾沖では反時計回りの流れが、朝鮮半島東岸では時計回りの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年よりかなり強い 平年よりかなり強い 平年よりかなり強い

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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