海面水温・海流（近畿・中国・四国周辺海域）
平成29年1月10日発表
大阪管区気象台
診断（2017年1月上旬）
- 日本海では、海面水温が平年より高い海域が拡大し、東経134度以西を中心に平年よりかなり高い海域が見られます。
- 太平洋では、海面水温が平年よりかなり高い海域が、黒潮流路に沿って拡大しました。
- 黒潮は、足摺岬で離岸し、室戸岬と潮岬では接岸して流れています。
- 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北西の北緯37度付近から北に流れています。山陰沖東部では南東向きの流れが、若狭湾沖では北向きの流れがみられます。
近畿・中国・四国周辺海域の海面水温平年差分布図（1月9日）
海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。
この図の海面水温平年差は速報値です。近畿・中国・四国周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。
解説
海面水温
近畿・中国・四国周辺海域では、冬型の気圧配置が続かなかった影響で、日本海では、海面水温が平年より高い海域が拡大し、東経134度以西では平年より2℃以上高い海域がみられます。太平洋では、平年より2℃以上高い海域が、黒潮流路に沿って拡大しました。
海面水温の今後の見通し
向こう1か月、近畿・中国・四国周辺海域の海面水温は、平年より高いでしょう。
海流の実況と見通し
2017年1月上旬の近畿・中国・四国周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表：近畿・中国・四国周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し（注） 足摺岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸と接岸を繰り返す 室戸岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 接岸が続くが一時離岸する 潮岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 接岸 近畿・四国周辺海域のその他の顕著な現象 特にみられない － 日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北西の北緯37度付近からは北に流れている
山陰沖東部では南東向きの流れが、若狭湾沖では北向きの流れがみられる－ （注）『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位（下位）1/10以上（以下）を「平年よりかなり高い（低い）」としています。