海面水温・海流（近畿・中国・四国周辺海域）
平成27年9月30日発表
大阪管区気象台
診断（2015年9月下旬）
- 近畿・中国・四国周辺の海面水温は、平年より低い海域は縮小し、おおむね平年並となりました。
- 黒潮は、足摺岬では接岸し、室戸岬では離岸し、潮岬では接岸して流れています。
- 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北東からは北に流れています。山陰沖東部から能登半島にかけて、反時計回りの流れがみられます。
近畿・中国・四国周辺海域の海面水温平年差分布図（9月29日）
海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。
この図の海面水温平年差は速報値です。近畿・中国・四国周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。
解説
海面水温
太平洋の海面水温は、平年ではこの10日間では0.5℃程度低下する時期ですが、南よりの暖かく湿った風の影響で海面水温がほとんど変化しなかったため、沿岸域を中心に平年より低い海域は縮小し、おおむね平年並となりました。
日本海の海面水温は、平年ではこの10日間では0.5℃から1℃低下する時期ですが、平年より風が弱く日照時間が多かった影響で、10日前と比べて海面水温は0.5℃から1℃上昇しました。このため、海面水温は、平年よりかなり低い海域はみられなくなり、おおむね平年並となりました。
海面水温の今後の見通し
近畿・中国・四国周辺海域の海面水温は、向こう1か月、太平洋では平年並か平年よりも高く、日本海では期間前半は平年並か平年より低く、後半は平年並でしょう。
海流の実況と見通し
2015年9月下旬の近畿・中国・四国周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表：近畿・中国・四国周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し（注） 足摺岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 接岸が続くが離岸する時期がある 室戸岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 潮岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 離岸、接岸を繰り返す 近畿・四国周辺海域のその他の顕著な現象 特にみられない − 日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部では北東に流れ、隠岐の北東からは北に流れている
山陰沖東部から能登半島の西方にかけて反時計回りの流れがみられる− （注）『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位（下位）1/10以上（以下）を「平年よりかなり高い（低い）」としています。