海面水温・海流(九州・山口県周辺海域)

令和元年12月27日発表
福岡管区気象台

診断(2019年12月下旬)

  • 九州・山口県周辺海域では、東シナ海北部は、海面水温が平年よりかなり高い状態が続いています。東シナ海南部、九州の東、奄美群島の東では、海面水温が平年より高く、かなり高い海域が拡大しました。
  • 黒潮は、トカラ海峡の北緯30.1度付近を南南東に流れ、都井岬では接岸して流れています。
  • 奄美群島の南東の北緯27度、東経131度付近に冷水渦がみられます。

九州・山口県周辺海域の海面水温平年差分布図(12月26日)
九州・山口県周辺海域の海面水温平年差分布図(12月26日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。九州・山口県周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

九州・山口県周辺海域では、東シナ海北部は、寒気の影響を受けにくかったことや、平年より風が弱かったことにより、海面水温が平年よりかなり高い状態が続いています。東シナ海南部、九州の東、奄美群島の東では、海面水温が平年より高く、暖かく湿った空気の影響でかなり高い海域が拡大しました。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月の九州・山口県周辺海域の海面水温は、東シナ海と奄美群島の東では、平年よりかなり高いでしょう。九州の東では、平年より高いか、かなり高いでしょう。

海流の実況と見通し

2019年12月下旬の九州・山口県周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:九州・山口県周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30.1度 / 南南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸
九州・山口県周辺海域のその他の顕著な現象 奄美群島の南東の北緯27度、東経131度付近に冷水渦がみられる

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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