海面水温・海流(九州・山口県周辺海域)
平成30年5月31日発表
福岡管区気象台
診断(2018年5月下旬)
- 九州・山口県周辺海域では、山陰沖西部から九州西方にかけての海域で海面水温が平年より高い海域が広くみられます。九州の東では海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました。東シナ海南部と種子島近海から奄美群島の東にかけての海域では、5月中旬に引き続き海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられます。
- 黒潮は、トカラ海峡の北緯29.4度付近を東に流れ、都井岬に接岸して流れています。
- 奄美群島の東の北緯27.5度、東経132度付近に冷水渦が、奄美群島の南の北緯26.5度、東経130.5度付近に暖水渦がそれぞれみられます。
九州・山口県周辺海域の海面水温平年差分布図(5月30日)
解説
海面水温
九州・山口県周辺海域では、山陰沖西部から九州西方にかけての海域で海面水温が平年より高い海域が広くみられます。九州の東では、平年より日射量が少なく風が強かったため、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました。東シナ海南部と種子島近海から奄美群島の東にかけての海域では、5月中旬に引き続き海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられます。
海面水温の今後の見通し
向こう1か月の九州・山口県周辺海域の海面水温は、山陰沖西部から九州西方にかけての海域では平年並か平年より高く、東シナ海南部では平年よりかなり高いでしょう。また、九州の東から奄美群島の東にかけての海域では平年より高いか、かなり高いでしょう。
海流の実況と見通し
2018年5月下旬の九州・山口県周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。
表:九州・山口県周辺海域の海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1) 北緯29.4度 / 東 - 都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1) 接岸 接岸 九州・山口県周辺海域のその他の顕著な現象 奄美群島の東の北緯27.5度、東経132度付近に冷水渦が、奄美群島の南の北緯26.5度、東経130.5度付近に暖水渦が、それぞれみられる - (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
- 参考図:九州・山口県周辺海域の深さ50mの海流分布図(5月30日)
- 参考図:九州・山口県周辺海域の深さ100mの水温分布図(5月30日)
- 参考図:九州・山口県周辺海域の深さ200mの水温分布図(5月30日)
- 参考図:九州・山口県周辺海域の深さ400mの水温分布図(5月30日)
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。