海面水温・海流(九州・山口県周辺海域)

平成26年6月20日発表
福岡管区気象台

診断(2014年6月中旬)

  • 対馬近海から済州島の西にかけて、海面水温が平年より1℃以上高い海域が拡大しました。
  • 黒潮は、トカラ海峡の北緯29.6度付近を東南東に流れ、都井岬で離岸して流れています。

九州・山口県周辺海域の海面水温平年差分布図(6月19日)
九州・山口県周辺海域の海面水温平年差分布図(6月19日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

海面水温

対馬近海から済州島の西では、海面水温が平年ではこの10日間で1℃前後上昇する時期ですが、平年より日照時間が多かったために2℃以上上昇した海域がみられるなど、広い海域で平年よりも大きく上昇しました。このため、海面水温が平年より高くなりました。

北緯30度、東経127.5度付近の海域では、黒潮から分かれて北上した暖水の影響で広い海域で海面水温が平年よりも大きく上昇しました。このため、海面水温が平年より高い海域がみられるようになりました。

奄美の東では、日照時間が平年よりも少なかったために広い海域で海面水温が平年ほどは上昇しませんでした。このため、海面水温が平年より1℃以上低い海域が広がりました。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月の九州・山口県周辺海域の海面水温は、対馬近海から済州島にかけての海域ではおおむね平年より高く、その他の海域ではおおむね平年並で経過するでしょう。

海流の実況と見通し

2014年6月中旬の九州・山口県周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:九州・山口県周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.6度 / 東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸が続くが期間後半に接岸
九州・山口県周辺海域のその他の顕著な現象 特にみられない

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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