海面水温・海流(九州・山口県周辺海域)

平成25年4月10日発表
福岡管区気象台

診断(2013年4月上旬)

  • 東シナ海の北緯28度、東経126度付近から北緯30度、東経129度付近にかけての海域、および種子島の東から日向灘にかけての海域で、海面水温がおおむね平年より高くなっています。
  • 黒潮は、トカラ海峡の北緯29.5度付近を東に流れ、都井岬で接岸して流れています。

九州・山口県周辺海域の海面水温偏差分布図(4月9日)
九州・山口県周辺海域の海面水温偏差分布図(4月9日)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 偏差は、図の右にある0.5℃毎のスケールと同じ色で色分けされています。

この海面水温偏差の図は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。

解説

海面水温

東シナ海の北緯28度、東経126度付近から北緯30度、東経129度付近にかけての海域、および種子島の東から日向灘にかけての海域では、海面水温が平年より1℃以上高い海域がみられます。特に、北緯30度、東経128.5度付近の海域では、黒潮からの暖水の北上により、海面水温が10日前と比べ2℃以上上昇した海域もみられます。

山口県沖から済州島周辺にかけての海域では、3月下旬は海面水温が平年より高くなっていましたが、寒気の影響で海面水温が上昇せず、おおむね平年並になりました。

屋久島のすぐ西の海域に海面水温が平年より1℃以上低い海域がみられます。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月の九州・山口県周辺海域の海面水温は、黒潮の流路付近の海域で平年より高く、そのほかの海域で平年並でしょう。

海流の実況と見通し

2013年4月上旬の九州・山口県周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:九州・山口県周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.5度/東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 離岸、接岸を繰り返す
九州・山口県周辺海域のその他の顕著な現象 九州西方では黒潮からの暖水が北に張り出している

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。

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