天気予報の精度の例年値とその特徴
1.天気予報の精度検証の公表
気象庁が発表している天気予報の精度の検証結果については、
次の表の通りホームページ上で公表し、その内容を定期的に更新しています。
これらのページでは、毎月、その前月に発表された予報の検証結果を公表しています。 また、1月下旬にはその前年に発表された予報の検証結果の年集計を公表しています。
予報精度の検証方法は、予報の種類によって異なります。 また、同じ予報の種類であっても、複数の検証指数を算出している場合があります。 予報精度の検証方法の詳しい説明は、「検証方法の説明のページ」でなされていますのでご参照ください。
天気予報の精度検証結果のトップページ |
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天気予報(今日、明日、明後日の予報)の精度検証結果の詳細 |
週間天気予報の精度検証結果の詳細 |
これらのページでは、毎月、その前月に発表された予報の検証結果を公表しています。 また、1月下旬にはその前年に発表された予報の検証結果の年集計を公表しています。
予報精度の検証方法は、予報の種類によって異なります。 また、同じ予報の種類であっても、複数の検証指数を算出している場合があります。 予報精度の検証方法の詳しい説明は、「検証方法の説明のページ」でなされていますのでご参照ください。
2.予報精度の例年値とは
前章で説明したとおり、気象庁では発表した天気予報の精度を検証して定期的に公表していますが、
予測技術の改善による精度の向上だけでなく、
毎年天候の状況が異なるため予測の難易度が変化することからも、
各月、各年の予報精度は変動します。
そこで、予報精度の平均的な値を把握していただくため「例年値」を公表しています。
例年値とは、ある検証指数について、その指数の統計が始まって以降まとまった期間(20数年)にわたって平均した値のことです。
例年値は全国を11に分けた地方予報区および全国を対象に算出しています。
気象庁では、代表的な3種類の予報について、それぞれ1つの検証指数の例年値を算出しています(次表)。
例年値との比較により、その月、その年の予報精度が、過去の平均と比べて良かったのか悪かったのかを確認することができます (気象庁ホームページでは、例年値と昨年の値を比較してグラフ表示するなどしています)。
例年値には、地域や時期(季節)によって差がみられますが、 より予測が容易な気象現象が出現しやすい地域や季節では予報精度が比較的良くなり、 より予測が困難な気象現象が出現しやすい地域や季節では予報精度が悪くなりがちです。
以下では、それぞれの例年値の地域および季節による違いについて、その特徴を解説します。
気象庁では、代表的な3種類の予報について、それぞれ1つの検証指数の例年値を算出しています(次表)。
予報の種類 | 検証指数 |
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降水の有無 | 適中率 |
最高気温 | 予報誤差 |
最低気温 | 予報誤差 |
※ 表のリンクから、その例年値のページを開くことができます。
例年値との比較により、その月、その年の予報精度が、過去の平均と比べて良かったのか悪かったのかを確認することができます (気象庁ホームページでは、例年値と昨年の値を比較してグラフ表示するなどしています)。
例年値には、地域や時期(季節)によって差がみられますが、 より予測が容易な気象現象が出現しやすい地域や季節では予報精度が比較的良くなり、 より予測が困難な気象現象が出現しやすい地域や季節では予報精度が悪くなりがちです。
以下では、それぞれの例年値の地域および季節による違いについて、その特徴を解説します。
3.予報精度の例年値の特徴
※ この章では、明日予報についての平成4年(1992年)から平成26年(2014年)までの23年平均による例年値を用いて、その特徴を解説しています。
3.(1)降水の有無
【解説】
降水の有無の予報精度(以下、適中率と記述)は、全国を対象とした年平均値が83%となっており、各地方の年平均値が78~85%の範囲に分布しています。
全国的に春と秋の適中率が高い傾向がありますが、北海道地方と沖縄地方の適中率は年間を通して他の地方に比べて低めです。
季節による違いに着目してみると、夏の適中率が最も低くなっていることがわかります。 これは、夕立のように狭い領域で起こる降水の頻度が多いことが主な原因と考えられます。 例えば、予報対象領域のちょうど60%の面積に降水があった場合、 「降水あり」という最善の予報を発表できたとしても、 適中率は60%という比較的低い値に留まってしまいます。
地域による違いを見てみると、冬の北海道地方の適中率が71%と特に低くなっています。 これは、広い予報対象領域全体にではなく部分的に降るという、北海道における雪の降り方の影響が大きいと考えられます。 また、沖縄地方は年間を通じて適中率が低くなっています。 これは、沖縄地方では、島嶼であるため特徴的な地形の影響を受けにくく、 降水の発生場所も特定しにくいといったことが影響していると考えられます。
季節による違いに着目してみると、夏の適中率が最も低くなっていることがわかります。 これは、夕立のように狭い領域で起こる降水の頻度が多いことが主な原因と考えられます。 例えば、予報対象領域のちょうど60%の面積に降水があった場合、 「降水あり」という最善の予報を発表できたとしても、 適中率は60%という比較的低い値に留まってしまいます。
地域による違いを見てみると、冬の北海道地方の適中率が71%と特に低くなっています。 これは、広い予報対象領域全体にではなく部分的に降るという、北海道における雪の降り方の影響が大きいと考えられます。 また、沖縄地方は年間を通じて適中率が低くなっています。 これは、沖縄地方では、島嶼であるため特徴的な地形の影響を受けにくく、 降水の発生場所も特定しにくいといったことが影響していると考えられます。
【降水の有無の予報精度(適中率)の年平均および季節ごとの一覧表・分布地図】
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3.(2)最高気温
【解説】
最高気温の予報精度(以下、予報誤差と記述)は、全国を対象とした年平均値が1.7℃となっており、各地方の年平均値が1.2~2.0℃の範囲に分布しています。
全国的に冬の予報誤差が小さい傾向があります。
また、沖縄地方の予報誤差は、年間を通じて他の地方に比べて非常に小さいです。
沖縄地方を除いて、春から夏にかけて予報誤差が大きくなっています。 これは、強い日射による気温上昇が大きいため、 天気や風向・風速等の気温を変化させる要因を的確に予測できないと誤差が大きくなってしまうといったことがあるためです。 特に東北地方や関東地方では、太平洋側から冷たく湿った東よりの風の影響が大きく、 この風がどこまで入り込むかどうかで最高気温が大きく変わります。
沖縄地方を除いて、春から夏にかけて予報誤差が大きくなっています。 これは、強い日射による気温上昇が大きいため、 天気や風向・風速等の気温を変化させる要因を的確に予測できないと誤差が大きくなってしまうといったことがあるためです。 特に東北地方や関東地方では、太平洋側から冷たく湿った東よりの風の影響が大きく、 この風がどこまで入り込むかどうかで最高気温が大きく変わります。
【最高気温の予報精度(予報誤差)の年平均および季節ごとの一覧表・分布地図】
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3.(3)最低気温
【解説】
最低気温の予報精度(以下、予報誤差と記述)は、全国を対象とした年平均値が1.4℃となっており、
各地方の年平均値が1.2~1.7℃の範囲に分布しています。
全国的に夏の予報誤差が小さい傾向があります。
また、沖縄地方の予報誤差は、年間を通じて他の地方に比べて小さいです。
季節ごとに見てみると、冬から春にかけて、予報誤差が大きくなる傾向があります。 これは、晴れた夜間の放射冷却による気温低下が大きいため、天気や風向・風速等の気温を変化させる要因を的確に予測できないと、 誤差が大きくなってしまうといったことがあるためです。 特に冬の北海道地方の予報誤差が大きくなっていますが、内陸で放射冷却の影響が大きく、 本州以南に比べて最低気温がより低い値になり得ること等が予報を難しくしていると考えられます。
季節ごとに見てみると、冬から春にかけて、予報誤差が大きくなる傾向があります。 これは、晴れた夜間の放射冷却による気温低下が大きいため、天気や風向・風速等の気温を変化させる要因を的確に予測できないと、 誤差が大きくなってしまうといったことがあるためです。 特に冬の北海道地方の予報誤差が大きくなっていますが、内陸で放射冷却の影響が大きく、 本州以南に比べて最低気温がより低い値になり得ること等が予報を難しくしていると考えられます。
【最低気温の予報精度(予報誤差)の年平均および季節ごとの一覧表・分布地図】
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