日本の季節の天候 ------------------ 対象期間:
令和3年9月15日 作成
地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図
2021年夏の天候の特徴をまとめると、
○東日本太平洋側と西日本で降水量がかなり多かった
東日本太平洋側の7月上旬の梅雨前線による大雨や、8月中旬を中心に本州付近に停滞した前線の大雨で、東日本太平洋側と西日本の夏の降水量はかなり多かった。
○北日本の日照時間はかなり多く、気温はかなり高く、北日本日本海側の降水量はかなり少なかった
7月後半を中心に太平洋高気圧に覆われ、その前後も高気圧に覆われやすかったため、北日本の夏の日照時間はかなり多く、気温はかなり高く、北日本日本海側の降水量はかなり少なかった。
○沖縄・奄美の降水量は多く、日照時間は少なかった
沖縄・奄美では、7月の終わりに台風第6号が沖縄付近をゆっくり進んだのをはじめ、熱帯低気圧や台風の影響をたびたび受けたため、夏の降水量は多く、日照時間は少なかった。
6月は、太平洋高気圧の北への張り出しが例年より弱かったため、梅雨前線は日本の南海上に停滞し、本州付近は高気圧に覆われやすく、北日本では高気圧通過後に暖かい空気が入りやすかった。北日本では記録的な多照となり、気温もかなり高かったほか、東日本と西日本日本海側でも月間日照時間が多かった。7月上旬は東・西日本付近に梅雨前線が停滞し、東日本太平洋側では大雨で大規模な土砂災害が発生した所もあった。7月中旬以降8月上旬にかけては北日本を中心に高気圧に覆われて晴れた日が多く、北日本で7月の降水量はかなり少なく、猛暑日が観測されたところもあるなど気温はかなり高かった。また、北日本日本海側では7月として記録的な多照となった。8月8日には台風第9号が鹿児島県に上陸、その後西日本を北西進し、温帯低気圧となって日本海沿岸、北日本を進んで各地で大雨、大荒れの天気となった。8月中旬から下旬の前半にかけては、オホーツク海付近の高気圧が日本海まで張り出し、日本の南では太平洋高気圧が西に張り出して、本州付近は前線が停滞しやすかった。断続的に各地で大雨となり、西日本では8月として記録的な多雨となった。夏としては、東日本太平洋側の7月上旬の梅雨前線による大雨や、8月中旬頃の本州付近に停滞した前線の大雨で、東日本太平洋側と西日本の降水量はかなり多かった。また、北日本は高気圧に覆われやすく、気温はかなり高く、日照時間はかなり多かった。特に北日本日本海側では、日照時間の平年比は133%で1946年の統計開始以来1位の多照となり、降水量もかなり少なかった。
沖縄・奄美では、6月は梅雨前線の影響を受けやすかった。7月は、前半は太平洋高気圧に覆われやすかったが、後半は台風第6号が沖縄地方にゆっくり接近して、大型で強い勢力のまま23日には宮古島付近を北西進したため、曇りや雨の日が多かった。8月は、中旬以降は太平洋高気圧に覆われた日が多かったが、熱帯低気圧や台風第9号、第10号、第12号の影響で曇りや雨の日が多かった。熱帯低気圧や台風の影響をたびたび受けたため、夏の降水量は多く、日照時間は少なかった。
この夏に発生した台風は9個で、日本に接近した台風は7個、このうち日本に上陸した台風は2個だった。
平均気温:北日本でかなり高く、東日本で高かった。西日本と沖縄・奄美では平年並だった。
降水量:東日本太平洋側と西日本でかなり多く、沖縄・奄美で多かった。一方で、北日本日本海側でかなり少なかった。北日本太平洋側と東日本日本海側では平年並だった。
日照時間:北日本でかなり多く、東日本日本海側で多かった。一方で、沖縄・奄美で少なかった。東日本太平洋側と西日本では平年並だった。
 |
 |
| 3か月平均気温平年偏差、3か月降水量平年比、3か月間日照時間平年比の分布図 |
地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図 |
6月:太平洋高気圧の北への張り出しが例年より弱く、梅雨前線は日本の南海上に停滞しやすかった。梅雨前線の影響を受けやすく、曇りや雨の日が多かった沖縄・奄美では、月降水量がかなり多く、月間日照時間がかなり少なかった。29日は沖縄本島地方で線状降水帯が発生し、記録的な大雨となった。一方、本州付近は梅雨前線の影響を受けにくく、高気圧に覆われやすかったため晴れた日が多かった。東・西日本では上空に寒気が流れ込んで大気の状態が不安定となり、局地的に雷雨が発生した日もあったが、北日本では気圧の谷の影響を受けにくかった。このため、北・西日本と東日本太平洋側の月降水量は少なかった。また、北・東日本と西日本日本海側では月間日照時間が多く、特に北日本の月間日照時間はかなり多く、北日本太平洋側と北日本日本海側の平年比はそれぞれ132%、136%となり、1946年の統計開始以降で6月として最も多い記録を更新した。
本州付近では晴れた日が多かったため、強い日射の影響を受けやすかった。また、北日本では上旬を中心に高気圧の通過後に南から暖かい空気が流れ込みやすく、沖縄・奄美では台風第3号の前面や梅雨前線に向かう南よりの風の影響で暖かい空気が流れ込みやすい時期があった。このため、月平均気温は全国的に高く、特に北日本ではかなり高かった。
月平均気温は、北日本でかなり高く、東・西日本と沖縄・奄美で高かった。
月降水量は、沖縄・奄美でかなり多かった。一方、北・西日本と東日本太平洋側で少なかった。東日本日本海側では平年並だった。
月間日照時間は、北日本でかなり多く、東日本と西日本日本海側で多かった。一方、沖縄・奄美でかなり少なかった。西日本太平洋側では平年並だった。
7月:28日には台風第8号が東北地方に上陸して横断したが、中旬以降は北日本を中心に高気圧に覆われて晴れることが多かったため、北・東日本日本海側の日照時間はかなり多く、北日本太平洋側と西日本日本海側で多かった。北日本日本海側の日照時間は平年比162%で、7月として1946年の統計開始以降で1位の多照となった。また、北日本で猛暑日を観測する地点があるなど気温はかなり高く、降水量はかなり少なかった。一方、東日本太平洋側は上旬に梅雨前線の影響で大雨となり、降水量はかなり多く、土砂災害等の被害が発生した所もあった。西日本は上旬を中心に暖かい空気が流れ込みやすく、気温は高かった。沖縄・奄美は期間の前半は太平洋高気圧に覆われて晴れの日が多かったが、後半は台風第6号が沖縄地方にゆっくり接近し、台風の影響が長時間に渡ったため、気温は低く、降水量は多く、日照時間は少なかった。
月平均気温は、北日本でかなり高く、西日本で高かった。一方、沖縄・奄美で低かった。東日本では平年並だった。
月降水量は、北日本でかなり少なかった。一方、東日本太平洋側でかなり多かった。東日本日本海側と西日本では平年並だった。
月間日照時間は、北・東日本日本海側でかなり多く、北日本太平洋側と西日本日本海側で多かった。一方、沖縄・奄美で少なかった。東・西日本太平洋側では平年並だった。
8月:上旬の中頃までは北・東・西日本では太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多かった。上旬の終わりに台風第9号が西日本を通過し、台風第9号から変わった温帯低気圧が北日本を通過した。中旬から下旬の前半にかけては、オホーツク海高気圧が日本海まで張り出し、日本の南では太平洋高気圧が西に張り出した。本州付近は前線が停滞し、太平洋高気圧の縁辺や中国大陸からの湿った空気も流れ込んで、東・西日本付近では雨の日が続き、西日本の月間日照時間はかなり少なかった。西日本では線状降水帯も発生するなど、各地で断続的に大雨となったため、東日本太平洋側と西日本の月降水量はかなり多かった。西日本日本海側、西日本太平洋側の月降水量平年比はそれぞれ371%、297%で、8月として1946年の統計開始以降1位の多雨となった。一方で、北日本日本海側では、高気圧が北海道付近に張り出して前線の影響も受けにくく、月降水量は少なかった。気温は、上旬は暖かい空気に覆われて北日本でかなり高く、東日本で高かったが、中旬は寡照や下層の寒気の影響で北・東・西日本でかなり低かった。特に北日本では中旬にかけての気温の変動が大きく、西日本では月平均気温が低くなった。沖縄・奄美では、中旬以降は太平洋高気圧に覆われやすかったが、熱帯低気圧や台風の影響で曇りや雨の日が多い時期があったため、月平均気温は低かった。
月平均気温は、西日本と沖縄・奄美で低かった。北・東日本では平年並だった。
月降水量は、東日本太平洋側と西日本でかなり多く、北日本太平洋側と東日本日本海側で多かった。一方、北日本日本海側で少なかった。沖縄・奄美では平年並だった。
月間日照時間は、西日本でかなり少なく、東日本で少なかった。北日本と沖縄・奄美では平年並だった。
- 月平均500hPa高度・偏差分布図
- 月平均海面更正気圧・偏差分布図
- 月平均850hPa気温・偏差分布図
- 月平均外向き長波放射量(OLR)偏差分布図
※ 日本の天候のまとめに掲載している外向き長波放射量(OLR)偏差分布図は、2023年9月以降は米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)提供のBlended OLRを、2023年8月までは同センター提供のAVHRR OLRを用いて作成したものです。
このページのトップへ