奄美地方の平年の天候
図1 奄美地方の地勢図
図2 名瀬の気象要素の月別の変化
気温は、盛夏となる7月から8月が年間のうちで最も高くなり、平均気温はおよそ28℃になります。一方、冬場の1月から2月にかけての平均気温は、年間で最も低くなりおよそ15℃です。
月降水量は1年を通じて150mmを上回ります。奄美地方の梅雨期間は5月から6月で、6月の降水量が顕著に多くなります。
日照時間は、7~8月が太平洋高気圧に覆われて晴れの日が多くなるため、1年のうちで最も多くなります。一方、11月~翌3月頃までは寒気の影響により曇りや雨の日が多なるため月間の日照時間は100時間未満と少なく、特に1月から2月にかけてはひと月の間に晴れとなる日数は平年では5日程度となります。
春の天候(3月~5月)
図3 2020年5月6日9時の地上天気図
日本付近は高気圧に覆われて晴れたが、沖縄・奄美は低気圧や前線の影響で雨となりました。
夏の天候(6月~8月)
図4 2020年7月21日9時の地上天気図
前線を伴った低気圧が日本海を北東進し、東・西日本以南は太平洋高気圧に覆われました。
梅雨明け以後は晴天の日が多くなるため、台風が来なければ、まとまった雨が降ることが少なくなります。しかし、夏場の強い日射の影響で発生する積乱雲は、本土と同様に島嶼でも発生するため、局地的な激しい雨には注意が必要です。
最高気温は連日30℃を超える真夏日となりますが、海洋性気候のため35℃以上の猛暑日となるのは稀です。また、夜間は最低気温25℃以上の熱帯夜の日が多くなります。
秋の天候(9~11月)
図5 2020年10月15日9時の地上天気図
黄海付近の高気圧に覆われて、西日本以南は晴れました。
9月は太平洋高気圧に覆われることが多いため、晴れの日が多く残暑も厳しいです。最高気温は30℃を上回る真夏日となる日が多いです。
10月に入ると太平洋高気圧の勢力は次第に弱まり、大陸からの移動性高気圧と低気圧が交互に通るようになるため、晴れの日と雨の日、暖かい日と寒い日が周期的に現れるようになります。 気温は朝晩は20℃以下となる日もでてきます。11月になると最高気温が25℃以上の夏日となる日がようやく少なくなります。11月も後半になると、大陸からの寒気の影響を受けはじめるため曇りや雨の日が増えてきます。
なお、7月から10月までは台風が接近することがあり、動向には十分注意が必要です。
冬の天候(12月~2月)
図6 2021年1月8日9時の地上天気図
冬型の気圧配置となり、強い寒気が流れ込んだため、奄美地方では曇りや雨となりました。
12月になると大陸から寒気が流れ込んで、東シナ海で対流雲が次々に発生するため、曇りや雨となり時雨(しぐれ)となる日が多くなります。日照時間は一年のうちで最も少ない時期となり、気温は亜熱帯性気候のため、10℃以下となる日は少ないです。