南極の気象(2025年8月)
1.概 況
8月は、昭和基地への低気圧の接近が少なく、下旬を中心に高気圧に覆われる日が多かったため、月平均風速は平年より小さく、日照時間は平年より多くなった。
また、月最深積雪は8月の小さい方から7位となる94cmを記録した。4月から7月にかけて月平均気温が平年より高い状況が続いていたが、8月は平年並みとなった。
ブリザードは、12日から13日にかけての1回(C級)のみであった。
上旬は、昭和基地から離れた北海上を低気圧が次々と通過した影響で、曇りや弱い雪となる日が多く、旬平均風速は平年よりかなり小さかった。
中旬は、発達した低気圧の接近によりふぶきとなる日があったが、旬の半ばは晴れて風の弱い日が多く、放射冷却により気温が下がり、月最低気温-31.2℃を記録した。
また、氷霧が発生した日があった。
下旬は、旬の半ばにかけて高気圧に覆われて晴れた日が多くなった一方で、旬のはじめ及び終わり頃には低気圧の影響により強風・ふぶきとなる日もあった。
ブリザード、カタバ風‥‥用語解説
2.気温、風向風速等の気候統計値
| 平均気温 | -18.1℃ | 平均湿度 | 69% |
|---|---|---|---|
| 最高気温 | -8.5℃(13日) | 平均雲量 | 7.6 |
| 最低気温 | -31.2℃(18*日) | 日照時間 | 77.5h |
| 平均風速 | 3.9m/s | 全天日射量 | 1.6MJ/㎡ |
| 最多風向 | NE | 雪日数 | 21日 |
| 最大風速 | 21.4m/s(NE 13日) | 霧日数 | 1日 |
| 最大瞬間風速 | 25.2m/s(NE 13日) | 平均気圧(海面) | 989.4hPa |
3.日平均気温の推移および月平均気温の累年値

日平均気温の推移
データは
こちら
をご参照下さい。

月平均気温の累年値
データは
こちら
をご参照下さい。
4.大気の流れ

南半球月平均500hPa高度および平年偏差
等値線は500hPa高度を表し、間隔は60m。陰影域は平年偏差を表す。平年値は1991-2020年の期間の平均値。
5.南極昭和基地上空のオゾン層と紫外線の状況について
南極昭和基地上空のオゾン層と紫外線の状況についてはオゾン層・紫外線のページを参照してください。
毎月下旬、最新版に更新されます。またオゾン層に関する報道発表を随時行っています。
