網走地方気象台長からのご挨拶「地域に根ざした気象台」をめざして

(令和6年4月1日 更新)

 日頃、網走地方気象台のホームページをご利用いただきありがとうございます。

 令和6年4月に就任しました前田潔史(まえだ きよし)です。


 網走地方気象台は、明治22(1889)年8月、網走地方の漁田開発と農業生産のための気象協力を目的として、北海道庁立網走仮測候所として創立し、明治23(1890)年5月に現在地(網走市台町)に庁舎を新設し業務を開始しました。以来、国への移管、気象台への改称などを経たものの、移転することなく観測や予報などの気象業務を続けています。


 130年以上にわたって同じ場所で観測を続けている気象台は全国でも少なく、気象庁では、当台を将来にわたり地球温暖化の監視を継続するための重要な観測地点として選定しています(全国41地点のうちの一つ)。日々の観測データは、大雨などの監視に使われるだけでなく、長期間にわたり蓄積されることで地球温暖化の監視のために重要なデータとなっています。


 管内には、世界的にも貴重な原始の自然をそのまま残す「世界自然遺産 知床」をはじめとした豊かな自然景観に恵まれています。1月下旬から3月にかけてオホーツク海を覆う流氷は、他の地域では見ることができないオホーツク海沿岸特有のものです。


 一方で自然は時として様々な要因で災害をもたらします。近年は、全国各地で大雨等による甚大な災害が発生し、網走・北見・紋別地方も災害の発生するリスクがあります。平成18(2006)年11月には、佐呂間町で竜巻による大きな被害がありました。平成25(2013)年3月には暴風雪によって大変痛ましい災害が起きました。また、令和4年12月には、湿った重たい雪が降り、内陸を中心に大雪となり、紋別市内の送電鉄塔が倒壊し、市内や周辺地域で大規模な停電が発生しました。これらは決して忘れてはならない災害です。


 網走地方気象台では、自然災害による被害が少しでも軽減されるよう、日頃から気象・地震・火山災害に関する普及啓発の取り組みを行い、大雨や大雪が予想される際には警報・注意報などの防災気象情報を発表し、広く住民の皆さまに警戒・注意を呼びかけているところです。また、網走・北見・紋別地方18市町村の防災担当の皆様とは「顔の見える関係」を構築し、地域防災に貢献するために積極的に取り組んでいます。


 これからも、みなさまに信頼され、地域に貢献できる気象台であり続けるよう、職員一同取り組んでまいります。


網走地方気象台長 前田 潔史


令和6年4月1日
網走地方気象台長 前田 潔史