キーワードを入力し検索ボタンを押下ください。

平成25年 No.7 週間火山概況 (平成25年2月8日〜2月14日)

【火山現象に関する警報及び予報の発表状況】

 いずれの火山についても、噴火に関する予報警報事項(警戒が必要な事項)に変更はありません。

表1 火山現象に関する警報及び予報の発表履歴(2月8日〜2月14日)

発表日時 火山名 警報・予報 概要
毎日07時、17時 三宅島 火山ガス予報 島内の火山ガスの分布予想

表2 2月14日現在の噴火警報・予報等の発表状況

警報・予報 噴火警戒レベル及びキーワード 該当火山
火口周辺警報 レベル3(入山規制) 霧島山(新燃岳)、桜島
レベル2(火口周辺規制) 三宅島、諏訪之瀬島
火口周辺危険 硫黄島※
噴火警報(周辺海域) 周辺海域警戒 福徳岡ノ場※
噴火予報 レベル1(平常) 雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、有珠山、北海道駒ヶ岳、岩手山、秋田駒ヶ岳、吾妻山、安達太良山、磐梯山、那須岳、草津白根山、浅間山、新潟焼山、焼岳、御嶽山、富士山、箱根山、伊豆東部火山群、伊豆大島、九重山、阿蘇山、雲仙岳、霧島山(御鉢)、薩摩硫黄島、口永良部島
平常 上記以外の活火山
※印のついた火山は火山現象に関する海上警報も発表中。

図1  噴火警報発表中の火山

図1 噴火警報及び火山現象に関する海上警報を発表中の火山(2月14日現在)




【警報発表中の火山の活動状況及び警報事項】


三宅島 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 今期間、噴煙高度は、火口縁上100〜200mで経過しました。
 火山性地震は、やや少ない状態で経過しました。
 8日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の平均放出量は1日あたり200トン(前回1月8日、500トン)とやや少ない状況でした。
 三宅村によると、山麓では時々やや高濃度の二酸化硫黄が観測されています。
 山頂火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生すると予想されますので、山頂火口周辺(雄山環状線内側)では噴火に対する警戒が必要です。また、火山ガス予報で火山ガスの濃度が高くなる可能性があると予想される地域では、火山ガスに対する警戒が必要です。


硫黄島 [火口周辺警報(火口周辺危険)及び火山現象に関する海上警報]

 火山性地震は少ない状態で経過しました。火山性微動は観測されませんでした。
 国土地理院の観測によると、地殻変動はほぼ停滞していましたが、2013年1月頃から、わずかに隆起の傾向がみられています。
 硫黄島の島内は全体に地温が高く、多くの噴気地帯や噴気孔があり、過去には各所で小規模な噴火が発生しています。火山活動はやや活発な状態で推移しており、火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生すると予想されますので、2012年4月末に新たに噴気が確認された島北部や変色水がみられた北東沖、従来から小規模な噴火がみられていた島東部の海岸付近、島西部(井戸ヶ浜等)及び南東沖(翁浜沖)では噴火に対する警戒が必要です。


福徳岡ノ場 [噴火警報(周辺海域警戒)及び火山現象に関する海上警報]

 今期間、海上保安庁海洋情報部、第三管区海上保安本部、海上自衛隊及び気象庁による上空からの観測は行われませんでした。これらの機関のこれまでの観測によると、福徳岡ノ場付近の海面には長期にわたり火山活動によるとみられる変色水等が確認されており、今後も小規模な海底噴火が発生すると予想されますので、周辺海域では噴火に対する警戒が必要です。


霧島山(新燃岳) [火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)]

 新燃岳では、噴火は発生しませんでした。
 火山性地震は少ない状態で経過し、火山性微動は観測されませんでした。
 傾斜計1)では、火山活動に伴う特段の変化は認められませんでした。
 13日に海上自衛隊第72航空隊鹿屋航空分遣隊の協力を得て実施した上空からの観測では、前回(2012年11月8日)と比較して、火口内に蓄積された溶岩の形状や火口内の噴気の状況に変化は認められませんでした。
 新燃岳の北西数㎞の地下深くにあると考えられるマグマだまりの膨張は、2011年12月以降鈍化・停滞しています。国土地理院の地殻変動観測結果によると、2012年5月頃からわずかに地盤の縮みの傾向がみられていましたが、2012年9月頃から停滞しています。
 しかし、火口には多量の溶岩が溜まっており、火口直下の火山性地震がわずかながらも続いていることから、現在でも小規模な噴火が発生する可能性は否定できません。新燃岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石2)に警戒が必要です。噴火時には、風下側で火山灰だけでなく小さな噴石2)(火山れき3))が風に流されて降るおそれがあるため注意してください。噴火警報や霧島山上空の風情報に留意してください。降雨時には泥流や土石流に警戒が必要です。降雨に関する情報に留意してください。


桜島 [火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)]

 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 昭和火口では、爆発的噴火が44回発生しました。このうち8日に2回、11日に1回、大きな噴石2)が3合目(昭和火口より1,300m〜1,800m)まで達しました。また、同火口では、夜間に高感度カメラ4)で明瞭に見える火映を8日に観測しました。
 南岳山頂火口では、噴火の発生はありませんでした。
 火山性地震は少ない状態で経過し、噴火に伴う火山性微動が時々発生しました。14日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の平均放出量は1日あたり800トン(前回7日、1,500トン)とやや少ない状態でした。国土地理院の地殻変動観測結果によると、姶良(あいら)カルデラ(鹿児島湾奥部)深部の膨張による長期的な伸びの傾向がみられています。
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒が必要です。風下側では火山灰だけでなく小さな噴石2)(火山れき3))が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。
 また、降雨時には土石流に注意してください。


諏訪之瀬島 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 御岳(おたけ)火口では今期間、爆発的な噴火はありませんでしたが、長期にわたり噴火を繰り返しています。同火口では夜間に高感度カメラで確認できる程度の微弱な火映を観測しました。
 火山性地震は少ない状態で経過しました。火山性微動が引き続き連続して発生しています。
 今後も火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生すると予想されるので、火口から概ね1kmの範囲では噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石2)に警戒が必要です。風下側では火山灰だけでなく小さな噴石2)が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。


【噴火予報発表中の火山の活動状況及び予報事項】


箱根山 [噴火予報(噴火警戒レベル1、平常)]

 駒ヶ岳付近の浅部を震源とする地震活動が継続しています。10日13時頃から16時頃にかけて一時的に地震が増加し、10日13時15分頃に、1月11日以降の地震活動で最大のマグニチュード(M)2.1の地震が発生しました。遠望カメラによる観測では、この時間帯を含めて、噴気の状況に特段の変化はみられていません。今期間、気象庁が発表に使用する震度計で、震度1以上を観測する地震はありませんでしたが、神奈川県温泉地学研究所によると、同研究所が大涌谷に設置している地震計で体に感じる程度の揺れが4回観測されました。
 2月5日〜7日(期間外)にかけて実施した現地調査では、2001年の地震活動(後述)の後に形成された上湯場付近(大涌谷の北側)の噴気地帯(図2)で、引き続き噴気や地熱域が認められました。また、この噴気地帯の西側に2011年から2012年にかけて形成された噴気地帯(図3)でも、白色の噴気が20〜30m上がっているのを確認しました。
 国土地理院の地殻変動観測結果では、2012年末頃から、箱根山周辺の一部の基線にわずかな伸びの傾向がみられています。気象庁と神奈川県温泉地学研究所が設置している傾斜計1)では、1月上旬頃から、山体の膨張を示すわずかな変化がみられています。また、気象庁が湯河原鍛冶屋に設置している体積ひずみ計5)でも同様の変化がみられています。
 箱根山では、2001年6月から10月にかけて地震が多発し、国土地理院等の地殻変動観測で山体の膨張を示す変化がみられ、噴気活動が活発化しました。現時点では、2001年と比較して地殻変動は小さく、噴気等の状況に特段の変化はみられず、火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は認められません。


2001噴気地帯の状況
図2 箱根山 2001噴気地帯の状況(図4の①より撮影)
2001噴気地帯の状況
図3 箱根山 2011新噴気地帯の状況(図4の②より撮影)

2001噴気地帯の状況
図4 箱根山 上湯場周辺図

阿蘇山 [噴火予報(噴火警戒レベル1、平常)]

 阿蘇山では、2012年12月中旬頃から孤立型微動6)が増加し、2月11日以降は1日あたり200回以上発生しています。
 しかし、火山性微動の振幅は小さく、火山性地震は少ない状態が続いています。また、2月14日に実施した現地調査では、中岳第一火口の湯だまりの量は9割、温度は約50℃で、2012年7月以降、湯だまりの状況に特段の変化はありません。また、傾斜計では火山活動に伴う特段の変化は認められません。
 阿蘇山では、孤立型微動が増加し、火山活動にわずかながらも高まる傾向がみられていることから、今後の火山活動の推移には注意する必要がありますが、今のところ火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は認められません。
 火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は認められませんが、火口内では土砂や火山灰等が噴出する可能性があります。また、火口付近では火山ガスに対する注意が必要です。

阿蘇山 孤立型微動の発生回数
図5 阿蘇山 孤立型微動の発生回数(2012年12月1日〜2013年2月14日)

口永良部島 [噴火予報(噴火警戒レベル1、平常)]

 1月中旬頃から振幅の小さな火山性地震の回数がやや増加しています。
 口永良部島では、これまでにも火山性地震が増加し、それに伴い浅部の膨張を示す地殻変動が観測されることがありましたが、現時点では、地殻変動や噴煙活動に特段の変化はありません。
 現在のところ、火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は認められませんが、今後の活動の推移に注意してください。

口永良部島 火山性地震の発生回数
図6 口永良部島 火山性地震の発生回数(2007年1月1日〜2013年2月14日)

 上記以外の火山では、期間中、火山活動に特段の変化はなく、予報事項に変更はありません。

1)火山活動による山体の傾きを精密に観測する機器。火山体直下へのマグマの貫入等により変化が観測されることがあります。
2)噴石については、大きさによる風の影響の程度の違いによって到達範囲が大きく異なります。本文中「大きな噴石」とは、「風の影響を受けず弾道を描いて飛散する大きな噴石」のことであり、「小さな噴石」とは、それより小さく「風に流されて降る小さな噴石」のことです。
3)霧島山・桜島では「火山れき」の用語が地元で定着していると考えられることから、付加表現しています。
4)九州地方整備局大隅河川国道事務所が黒神河原上流に設置したカメラ等によります。
5)センサーで周囲の岩盤から受ける力による体積の変化をとらえ、岩石の伸びや縮みを精密に観測する機器です。火山体直下へのマグマの注入等により変化が観測されます。
6)阿蘇山特有の微動で、火口直下のごく浅い場所で発生しており、周期0.5〜1.0秒、継続時間10秒程度で振幅が5μm/s以上のものを孤立型微動としています。

注)本資料には速報的な内容を含みます。データについては精査により、後日修正することがあります。
  詳細については、毎月発表の火山活動解説資料を参照してください。
  


【参考】 噴火警報・予報と噴火警戒レベル等の対応表

警報・予報 噴火警戒レベルとキーワード 噴火警戒レベルを導入していない火山に対するキーワード
噴火警報 レベル5(避難) 居住地域厳重警戒または山麓厳重警戒*
レベル4(避難準備)
火口周辺警報 レベル3(入山規制) 入山危険
レベル2(火口周辺規制) 火口周辺危険
噴火予報 レベル1(平常) 平常

*居住地域が不明確な場合

海底火山については、噴火警報(周辺海域)(キーワード:周辺海域警戒)と噴火予報(キーワード:平常)で発表します。


このページのトップへ