2006年 No.33 火山の概況 (平成18年8月11日 〜 平成18年8月17日)

【噴火が観測された火山】

桜島 [活発な状況(レベル3)
南岳山頂火口で15日に小規模な噴火が発生した。
諏訪ノ瀬島 [活発な状況(レベル3)
13日と14日に爆発的噴火が発生した。

【活動が活発もしくはやや活発な状態である火山】

雌阿寒岳 [やや活発な状況]
ポンマチネシリ山頂の赤沼06火口群や北西斜面06噴気孔列では噴煙活動のやや活発な状態が続いている。
十勝岳 [やや活発な状況]
62-2火口では高温状態が続いていると推定される。
樽前山 [やや活発な状況]
A火口及びB噴気孔群では高温状態が続いていると推定される。
浅間山 [やや活発な状況(レベル2)
噴煙活動のやや活発な状態が続いている。
三宅島 [やや活発な状況]
噴煙活動は活発で、多量の火山ガスの放出が続いている。
薩摩硫黄島 [やや活発な状況(レベル2)
火山性地震のやや多い状態が続いている。
口永良部島 [やや活発な状況(レベル2)
火山性地震のやや多い状態が続いている。

図1  今期間掲載した各火山の活動状況
図1  各火山の今期間の火山活動度レベル及び記事を掲載した火山


注1 本資料で示すレベルは、火山活動度レベルを導入した火山におけるレベルである。

注2 記号の意味
 ▲:噴火が観測された火山
 ●:活動が活発もしくはやや活発な状態である火山
 ◇:静穏な状態であるが観測データに変化のあった火山、もしくはその他の記事を掲載した火山
 ①②等の丸付き数字:火山活動度レベル

注3 記事は、▲、●(注2参照)に該当する火山について掲載する。
 その他の火山については、特記事項のある場合に掲載する。



【各火山の活動解説】

 各記号の意味は次のとおり。▲:噴火が観測された火山。●:活動が活発もしくはやや活発な状態である火山。◇:静穏な状態であるが観測データ等に変化があった火山、もしくはその他の記事を掲載した火山。

● 雌阿寒岳  [やや活発な状況]

 ポンマチネシリ山頂の赤沼06火口群や北西斜面06噴気孔列の噴煙活動はやや活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上100〜200mで推移した。
 地震活動は低調な状態が続いている。GPSによる地殻変動観測では特段の変化はなかった。


● 十勝岳  [やや活発な状況]

 62-2火口の噴煙活動はやや活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上100〜200mで推移した。噴煙の活動に特に変化はみられていないことから、同火口の熱活動にも大きな変化はなく、依然として高温の状態が続いていると推定される。
 地震活動は低調な状態が続いている。GPSによる地殻変動観測では特段の変化はなかった。


● 樽前山  [やや活発な状況]

 A火口及びB噴気孔群の噴煙の状況に特に変化はみられていないことから、これらの火口の熱活動にも大きな変化はなく、依然として高温の状態が続いていると推定される。
 地震活動は低調な状態が続いている。傾斜計及びGPSによるによる地殻変動観測では特段の変化はなかった。


● 浅間山  [やや活発な状況 (レベル2)]

 噴煙活動はやや活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上100〜200mで推移した。今期間、山麓に設置した高感度カメラ1)では火映は観測されなかった。
 火山性地震の回数は1日あたり4〜10回と少ない状態で経過した。火山性微動は観測されなかった。傾斜計及びGPSによる地殻変動観測では特段の変化はなかった。

1) 気象庁及び国土交通省関東地方整備局利根川水系砂防事務所が設置。


● 三宅島  [やや活発な状況]

 噴煙活動は活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上200〜300mで推移した。
 今期間は火山ガス観測を行わなかったが、三宅村によると山麓では時々高濃度の二酸化硫黄が観測されており、噴煙活動に大きな変化はみられないことから、依然として多量の火山ガスの放出が続いていると推定される。
 火山性地震の回数は1日あたり40〜81回とやや多い状態で経過した。火山性微動は観測されなかった。GPSによる地殻変動観測では特段の変化はなかった。


▲ 桜島  [活発な状況(レベル3)]

 昭和火口では噴火は発生しなかった。南岳山頂火口では15日に噴煙高度が火口縁上1,000mに達する噴火が発生したほか、ごく小規模な噴火も時々発生した。
 火山性地震はやや多い状態が続いている。火山性微動はやや少ない状態で経過した。GPSなどによる地殻変動観測では特段の変化はなかった。


● 薩摩硫黄島  [やや活発な状況 (レベル2)]

 硫黄岳山頂火口の噴煙活動はやや活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上概ね300mであった。
 火山性地震はやや多い状態で経過した。火山性微動は観測されなかった。


● 口永良部島  [やや活発な状況 (レベル2)]

 火山性地震はやや多い状態で経過した。火山性微動は観測されなかった。監視カメラ(新岳の北西約4kmに設置)による観測では噴気等は認められなかった。


▲ 諏訪之瀬島  [活発な状況 (レベル3)

 11日〜15日にかけて噴火が発生し、そのうち、爆発的噴火が13日には1回、14日には8回発生した。十島村役場諏訪之瀬島出張所によれば、12日から15日にかけて集落(御岳の南南西約4km)で降灰があった。
 11日〜15日にかけて時々火山性連続微動が発生した。火山性地震はやや多い状態で経過した。




表1 最近1か月に記事を掲載した火山及び各火山のレベル

表1 最近1か月に記事を掲載した火山及び各火山のレベル

表2 火山情報発表状況
火 山 名 情報の種類及び号数 発表日時 概 要
浅 間 山 火山観測情報第32号 11日16:00 4日〜11日15時の活動状況。レベルは2。
三 宅 島 火山観測情報
第223〜229号
(1日1回発表)
11日〜17日16:30 前日16時〜当日16時の活動状況及び上空の風の予想。
桜島 火山観測情報第29号 11日15:30
活発な火山活動が継続。4日〜11日15時の状況、防災上の注意事項。レベルは3。


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