火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第47号
令和2年6月5日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 6月1日から5日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳山
頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕
流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、南岳山頂火口で昨日(4日)02時59分に爆発が発生し、弾
道を描いて飛散する大きな噴石が、南西方向に最大で2km近く(3合目)
まで飛散しました。
 この爆発に伴って、瀬戸観測点(南岳山頂火口より4km)で136.8
パスカルの空振を観測しました。瀬戸観測点で100パスカルを超える空振
を観測したのは、2015年5月21日以来です。
 昨日実施した現地調査では、桜島島内の鹿児島市黒神町(南岳山頂火口か
ら東側4kmから5km)で、最大約5cmの小さな噴石が降下したことを
確認しました。

 その後も桜島では活発な噴火活動が続いており、昨日16時38分及び本
日(5日)01時30分の爆発では、噴煙は火口縁上3700mまで上がり
ました。
 また、同火口では、1日及び2日に高感度の監視カメラで火映を観測しま
した。

 2日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あ
たり700トン(前回5月22日、1200トン)とやや少ない状態でした
。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。噴火に伴う火山性微動が発生
しました。
 
 桜島では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量が長期的に多い
状態であることや、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供
給が継続していることから、今後も噴火活動が継続する可能性があります。
 
 6月1日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりです
。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
           火山性地震 火山性微動   爆発
  6月 1日       5回    2回   0回
     2日      16回    0回   3回
     3日       6回    0回   2回
     4日       5回    2回   2回
     5日15時まで  4回    5回   1回

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、8日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。