火山名 薩摩硫黄島 火山の状況に関する解説情報 第18号
令和2年4月29日07時30分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 薩摩硫黄島の硫黄岳で噴火が発生しました。火口から概ね1kmの範囲で
は、大きな噴石に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 薩摩硫黄島の硫黄岳で、本日(29日)06時09分に噴火が発生し、0
6時50分まで噴火が継続しました。噴煙の高さは最高で火口縁上1000
mまで上がりました。薩摩硫黄島で噴火が発生したのは、2019年11月
2日以来です。この噴火による大きな噴石の飛散や空振は観測されていませ
ん。
 
 火山性地震は少ない状態が続いています。火山性微動は観測されていませ
ん。
 
 地殻変動観測では、火山活動に伴う変化は見られません。
 
 硫黄岳近傍の傾斜計のデータには、火山活動に伴う特段の変化は観測され
ていないことから、現在のところ規模の大きな噴火に至る可能性は低いと考
えられます。

2.防災上の警戒事項等
 火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな
噴石に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。また、火山ガスにも注意してください。