火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第49号 令和2年4月27日14時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 4月21日から24日にかけて、口永良部島の火山活動について、火山噴 火予知連絡会口永良部島部会において検討を行い、その評価をまとめました 。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 口永良部島部会による火山活動の評価 口永良部島では2020年1月から2月にかけて、大きな噴石や火砕流を 伴う噴火が時々発生しました。火山性地震、火山ガス(二酸化硫黄)の放出 量はいずれも多い状態で、2月頃から新岳火口の熱活動も高まってきていま す。これらのことは、今後噴火活動がさらに活発化する可能性を示唆します 。 GNSS連続観測では、島内の基線において、2019年10月頃からわ ずかな伸びがみられ、1月頃から明瞭な伸びとなっています。このことから 、地下ではマグマが蓄積されつつあると推定されます。その蓄積量は201 8年から2019年の活動期を上まわり、2015年噴火発生前の状態に匹 敵しつつあります。また、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が多い状態も地 下でのマグマ活動の活発化を示します。 2019年10月以降の火山活動は、2018年から2019年の火山活 動と同程度以上で推移しており、2014年から2015年に匹敵する火山 活動に発展する可能性も考えられます。 口永良部島では、規模の大きな噴火に先行して、山麓での大きな地震の発 生、新岳火口直下における火山性地震の増加、火山ガス(二酸化硫黄)放出 量の減少などの現象がみられることもあるため、火山活動の推移には注意が 必要です。 今後の噴火活動に警戒する必要があります。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西 にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。また、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量 が増加していることから、流下する火山ガスにも注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。