火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第30号
令和2年4月10日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 4月6日から10日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳
山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火
砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 南岳山頂火口では、噴火が7回発生しました。噴煙は最高で火口縁上20
00mまで上がりました。弾道を描いて飛散する大きな噴石は最大で9合目
(南岳山頂火口より300mから500m)まで達しました。また、同火口
では、高感度の監視カメラで期間を通じて夜間に火映を観測しました。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。噴火に伴う火山性微動が発生
しました。
 
 6日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりです。な
お、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。  
 
            火山性地震 火山性微動   爆発
   4月6日        3回    3回   0回
     7日        2回    0回   0回
     8日       10回    0回   0回
     9日       12回    0回   0回
    10日15時まで   8回   12回   0回
 
 島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、山体の隆起・膨張を示すゆる
やかな変動がみられています。また、GNSS連続観測では、2019年9
月頃から桜島島内の基線のわずかな伸びが認められています。これらのこと
から、桜島では今後も噴火活動が継続する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、13日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。