火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第20号
令和2年3月6日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 3月2日から6日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳山
頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕
流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、噴火活動が続いています。
 南岳山頂火口では、ごく小規模な噴火が時々発生しました。また、同火口
では、高感度の監視カメラで夜間に火映を観測しました。
 
 3日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あ
たり1300トン(前回2月26日、3100トン)とやや多い状態でした
。
 
 島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、山体の隆起・膨張を示すゆる
やかな変動がみられています。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていま
せん。
 
 3月2日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりです
。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震 火山性微動   爆発
  3月 2日        4回    0回   0回
     3日        7回    0回   0回
     4日        5回    0回   0回
     5日        5回    0回   0回
     6日15時まで  11回    0回   0回
 
 桜島では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量が多い状態であ
ることや山体膨張と考えられる地殻変動がみられていることから、今後も活
発な噴火活動が継続する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、9日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。