火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第31号
令和2年3月4日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 口永良部島では、2月29日から増加した火山性地震は減少しましたが、
多い状態が続いています。新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う
弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島では、2月29日16時頃から新岳火口付近を震源とする火山
性地震が増加しました。3月2日以降、減少しましたが、多い状態が続いて
います。
 
 火山性地震が増加した29日以降、新岳火口では白色の噴煙が最高で火口
縁上700mまで上がりました。
 
 本日(4日)の火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、700
トンと多い状態でした。
  
 2月29日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と火山ガス(二酸化
硫黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。なお、地震回数は速報値
であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
                火山性地震 火山性微動  火山ガス
                           (二酸化硫黄)
 2月29日            46回    0回   -
 3月 1日            86回    0回   -
    2日            46回    0回   -
    3日            40回    0回   -
    4日15時まで       13回    0回  700トン
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都
大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観
測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「-」としています。
 
 GNSS連続観測では、島内の基線で2019年10月頃からわずかな伸
びの変化がみられています。
 
 口永良部島では、活発な火山活動が継続していますので、今後の火山情報
に留意してください。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西
にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、6日(金)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。