火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第21号
令和2年2月11日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 口永良部島では、本日(11日)13時18分頃、傾斜変動を伴う振幅の
大きな火山性微動が発生しました。
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島では、本日(11日)13時18分頃、傾斜変動を伴う振幅の
大きな火山性微動が発生しました。その後も継続時間の短い火山性微動が1
5時までに2回発生しました。

 新岳火口では、9日に噴火が発生して以降、噴火は発生していません。
 
 9日から火山性地震の多い状態が、本日15時現在も続いています。
 
 7日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と火山ガス(二酸化硫黄)
の1日あたりの放出量は以下のとおりです。いずれも速報値であり、精査の
結果、後日変更することがあります。
 
                火山性地震 火山性微動  火山ガス
                           (二酸化硫黄)
 2月 7日            15回    0回   -
    8日             4回    0回   -
    9日            54回    0回 1100トン
   10日           333回    0回  600トン
   11日15時まで      140回    3回  調査中 
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都
大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観
測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「-」としています。
 
 GNSS連続観測では、島内の基線で2019年10月頃からわずかな伸
びの変化がみられています。
 
 火山性地震が多く、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が増減している状態
で、傾斜変動を伴う火山性微動も観測されています。このように、火山活動
が高まっており、大きな噴石や火砕流を伴う噴火の可能性がありますので、
今後の火山情報に留意してください。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西
にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、12日(水)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。