火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第16号
令和2年2月3日16時15分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 新岳火口では、本日(2月3日)05時31分に火砕流を伴う噴火が発生
しました。新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛
散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新岳火口では、本日05時31分に火砕流を伴う噴火が発生しました。火
砕流は、火口から南西側約900mまで達し、弾道を描いて飛散する大きな
噴石は、火口から約600mまで達しました。火砕流の発生は、2019年
1月29日以来です。噴煙は、雲のため確認することができませんでしたが
、気象衛星の観測によると、新岳火口縁上7000mまで達しました。その
後、ごく小規模な噴火が、15時現在も継続しています。

 本日実施した聞き取り調査及び現地調査では、屋久島北部と種子島南部で
降灰が確認されました。
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、1月31日1000ト
ン、2月1日1100トンと多い状態でしたが、2月2日には300トンと
減少しました。

 火山性地震は、2月2日から3日の噴火前まで増加しましたが、その後、
少ない状態で経過しています。また、噴火に伴う火山性微動を観測しました
。

 1月30日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と火山ガス(二酸化
硫黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。いずれも速報値であり、
精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震 火山性微動  火山ガス
                        (二酸化硫黄)
  1月30日        5回    0回    -
    31日        3回    0回 1000トン
  2月 1日        4回    4回 1100トン
     2日      223回    0回  300トン
     3日15時まで  69回    2回  調査中

 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都
大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観
測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「-」としています。
 
 GNSS連続観測では、島内の基線で2019年10月頃からわずかな伸
びの変化がみられています。
 
 口永良部島では、活発な火山活動が継続していますので、今後の火山情報
に留意してください。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西
にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、5日(水)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。