火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第105号
令和元年12月9日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 12月6日から9日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。南岳
山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火
砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 南岳山頂火口では、噴火が8回発生し、このうち6回が爆発でした。噴煙
は最高で火口縁上2600mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴石
は最大で4合目(南岳山頂火口より1300mから1700m)まで達しま
した。また、同火口では、期間を通じて夜間に高感度の監視カメラで火映を
観測しました。
 
 島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、山体の隆起・膨張を示すゆる
やかな変動がみられています。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。ごく小規模な噴火に伴う火山
性微動が発生しました。
 
 12月6日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりで
す。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります
。
 
            火山性地震 火山性微動   爆発
 12月 6日         8回    2回   2回
     7日        7回    0回   1回
     8日         5回    0回   1回
     9日15時まで   3回    0回   2回
 
 桜島では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量が多い状態であ
ることや山体膨張と考えられる地殻変動がみられていることから、今後も活
発な噴火活動が継続する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、13日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。