火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第122号
令和元年11月29日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、やや多い状態で経
過しました。
  
 火山性地震は少ない状態で経過しています。
 
 新岳火口では、25日以降、白色の噴煙が最高で火口縁上500mまで上
がりました。
 
 11月25日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と火山ガス(二酸
化硫黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。いずれも速報値であり
、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震 火山性微動  火山ガス
                        (二酸化硫黄)
 11月25日        3回    0回   300トン
    26日        1回    0回   300トン
    27日        2回    0回   200トン
    28日        2回    0回   200トン
    29日15時まで   1回    0回   調査中
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都
大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観
測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「-」としています。
 
 GNSS連続観測によると、2018年7月頃から停滞していた島内の基
線にわずかな伸びの変化がみられます。
 
 口永良部島では、火山性地震が一時的に増加し、火山ガス(二酸化硫黄)
の放出量もやや多い状態が続くなど、火山活動が高まった状態になっていま
す。今後の火山情報に留意してください。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西
にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、12月2日(月)16時頃に発表の
予定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。