火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第100号
令和元年11月22日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 11月18日から22日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。
南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模
な火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 南岳山頂火口では、噴火が10回発生し、このうち8回が爆発でした。噴
煙は最高で火口縁上2700mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴
石は最大で4合目(南岳山頂火口より1300mから1700m)まで達し
ました。また、同火口では、期間を通じて夜間に高感度の監視カメラで火映
を観測しました。
 
 11月21日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量
は1日あたり2800トンと前回(11月8日、2600トン)と同様に多
い状態でした。

 島内に設置している傾斜計及び伸縮計では、山体の隆起・膨張を示すゆる
やかな変動がみられています。
 
 火山性地震は、やや多い状態で経過しています。噴火に伴う火山性微動が
時々発生しました。
 
 11月18日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおり
です。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがありま
す。
 
            火山性地震 火山性微動   爆発
 11月18日       42回    2回   2回
    19日       61回   15回   1回
    20日       49回    3回   1回
    21日       60回    4回   3回
    22日15時まで  40回    4回   1回
 
 桜島では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量が多い状態であ
ることや山体膨張と考えられる地殻変動がみられていることから、今後も活
発な噴火活動が継続する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、25日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。