火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第39号
令和元年5月17日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 5月13日から5月17日15時までの桜島の活動状況をお知らせします
。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規
模な火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、噴火活動が続いています。
 
 南岳山頂火口では、噴火が3回発生し、このうち2回が爆発でした。噴煙
が最高で火口縁上1800mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴石
が5合目(南岳山頂火口より1000mから1300m)まで達しました。
また、同火口では、13日の未明に高感度の監視カメラで火映を観測しまし
た。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。噴火に伴う火山性微動が時々
発生しました。
 
 15日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日
あたり3300トン(前回4月16日、1600トン)と非常に多い状態で
した。
 
 5月13日からの火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりで
す。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります
。
 
            火山性地震 火山性微動   爆発
  5月13日        8回    0回   2回
    14日        7回    2回   0回
    15日       42回   15回   0回
    16日       13回    8回   0回
    17日15時まで   3回    2回   0回
 
 GNSS連続観測では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張
を示す基線の伸びは、わずかながら継続しています。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るた
め注意してください。
 爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため
注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生
する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、20日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。