火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第50号
平成31年4月26日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 口永良部島では、今後も噴火の可能性がありますので、新岳火口から概ね
2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流
に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は概ね多い状態です。
火山性地震は少ない状態で経過しています。
 
 新岳火口では、22日から本日(26日)15時までの期間、白色の噴煙
が最高で火口縁上900mまで上がりました。

 24日に実施した現地調査では、新岳の地熱域に特段の変化は認められま
せんでした。

 4月22日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と火山ガス(二酸化
硫黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。いずれも速報値であり、
精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震 火山性微動 火山ガス
                        (二酸化硫黄)
  4月22日        2回    0回   300トン
    23日        0回    0回    -
    24日        2回    0回   200トン
    25日        2回    0回   400トン
    26日15時まで   1回    0回   700トン
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、東京大学大学院理学系研究科、京都
大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測によるものです。天候不良や観
測条件が悪いなど観測値が得られなかった日は「-」としています。
 
 GNSS連続観測では、島内の長い基線の伸びは停滞しているとみられま
す。
 
 新岳火口では、2018年12月以降やや規模の大きな噴火を繰り返して
おり、今後も火砕流を伴う噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西
にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、29日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。