火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第12号
平成31年1月23日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 口永良部島では、今後も噴火の可能性がありますので、新岳火口から概ね
2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流
に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 21日以降噴火は発生しておらず、白色の噴煙が火口縁上200m以下で
推移しています。
 昨日(22日)から実施している現地調査では、新岳の熱異常域に特段の
変化は認められませんでした。
 20日の噴火が停止した以降、火山性地震は少ない状況で推移しており、
火山性微動も発生していません。

 新岳火口では、昨年(2018年)10月以降噴火を繰り返しており、火
山ガス(二酸化硫黄)の放出量は概ね多い状態で経過していることから、今
後も噴火が発生する可能性があります。

 1月17日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と東京大学大学院理
学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測による火山ガ
ス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。いずれも速報
値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

            火山性地震 火山性微動 火山ガス
                        (二酸化硫黄)
  1月17日       92回   16回 2200トン
    18日       11回    0回 1200トン
    19日        6回    0回   -
    20日        9回    1回  600トン
    21日        0回    0回   -
    22日        1回    0回  400トン
    23日15時まで   0回    0回  300トン

 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、天候不良や観測条件が悪いなど観測
値が得られなかった日は「-」としています。

 GNSS連続観測では、島内の長い基線で緩やかな伸びがみられていまし
たが、2018年11月以降、鈍化もしくは停滞していると考えられます。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西
にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、25日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。