火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第139号
平成30年12月21日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 口永良部島では、引き続き噴火の可能性がありますので、新岳火口から概
ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕
流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新岳火口では18日に火砕流を伴う噴火が発生し、その後、ごく小規模な
噴火が継続していましたが、昨日(20日)17時30分頃に停止しました
。その後は白色の噴煙が200m以下で推移しています。火山ガス(二酸化
硫黄)の放出量はやや多い状態で経過しており、引き続き噴火が発生する可
能性があります。

 火山性地震は、19日以降減少したものの、多い状態が続いています。本
日(21日)03時台には火山性地震が1時間に8回と一時的に増加し、火
山性微動は2回発生するなど、不安定な状態もみられており、噴火が発生し
た場合は18日と同程度の規模となる可能性もあります。

 GNSS連続観測では、島内の長い基線では緩やかな伸びがみられていま
したが、11月以降、鈍化もしくは停滞したと考えられます。

 12月15日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と東京大学大学院
理学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測による火山
ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。いずれも速
報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

            火山性地震 火山性微動 火山ガス
                        (二酸化硫黄)
 12月15日        7回    0回    -
    16日       24回    0回    -
    17日       31回    0回    -
    18日      111回    6回  200トン
    19日       11回    0回  400トン
    20日       23回    0回  200トン
    21日15時まで  18回    2回   調査中

 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、天候不良や観測条件が悪いなど観測
値が得られなかった日は「-」としています。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西
にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、25日(火)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。