火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第130号
平成30年12月3日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 口永良部島の新岳火口では、噴火が続いています。新岳火口から概ね2k
mの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警
戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新岳火口では、噴火が断続的に発生しています。11月30日から本日(
12月3日)15時にかけて、噴煙は最高で火口縁上1500mまで上がり
ました。
 
 火山性地震や火山性微動は、一連の噴火に伴って発生しています。
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、やや多い状態で経過しています。
 
 11月29日から12月1日に実施した現地観測では、新岳火口周辺の熱
異常域に特段の変化は認められませんでした。
 
 GNSS連続観測では、島内における長い基線において、2018年7月
頃に縮みの傾向から停滞へと変化し、現在は緩やかな伸びに変化したとみら
れます。
 
 11月27日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と東京大学大学院
理学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測による火山
ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。いずれも速
報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震 火山性微動 火山ガス
                        (二酸化硫黄)
 11月27日       67回   12回  500トン
    28日       71回   25回    -
    29日       52回   17回  700トン
    30日       32回   24回  200トン
 12月 1日       70回   15回    -
     2日       50回   18回    -
     3日15時まで  23回   12回   調査中
 
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、天候不良や観測条件が悪いなど観測
値が得られなかった日は「-」としています。
 
 口永良部島では、引き続き火山活動が高まった状態となっていますので、
新岳火口から概ね2kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大き
な噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西に
かけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、5日(水)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。