火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第125号 平成30年11月21日16時15分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 口永良部島の新岳火口では、噴火が続いています。新岳火口から概ね2k mの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警 戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 新岳火口では、噴火が断続的に発生しています。11月19日以降の噴煙 の高さは、最高で火口縁上700mでした。 また、夜間に高感度の監視カメラで火映を時々観測しています。 火山性地震や火山性微動は、一連の噴火に伴って発生しています。火山性 地震は、19日及び20日に100回を超えました。火山性地震の日回数が 100回を超えたのは、2015年5月29日以来です。 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は概ね多い状態で経過しています。 20日及び21日に実施した現地調査では、新岳火口周辺の熱異常域に特 段の変化は認められませんでした。 GNSS連続観測では、島内における長い基線において、2018年7月 頃に縮みの傾向から停滞へと変化し、現在は緩やかな伸びに変化したとみら れます。 15日からの火山性地震、火山性微動の発生回数と東京大学大学院理学系 研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び気象庁の観測による火山ガス( 二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は以下のとおりです。いずれも速報値で あり、精査の結果、後日変更することがあります。 火山性地震 火山性微動 火山ガス (二酸化硫黄) 11月15日 53回 20回 400トン 16日 47回 15回 - 17日 72回 7回 - 18日 80回 13回 - 19日 125回 15回 300トン 20日 125回 10回 500トン 21日15時まで 63回 10回 400トン 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、天候不良や観測条件が悪いなど観測 値が得られなかった日は「-」としています。 口永良部島では、引き続き火山活動が高まった状態となっていますので、 新岳火口から概ね2kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西 にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、22日(木)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。