火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第103号 平成30年10月22日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台 **(見出し)** <火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続> 10月19日から10月22日15時までの口永良部島の活動状況をお知 らせします。新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて 飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。 **(本 文)** 1.火山活動の状況 口永良部島では、21日18時31分頃にごく小規模な噴火が発生しまし た。その後、同日21時10分頃から22日13時50分にかけて、ごく小 規模な噴火が継続して発生しました。噴煙は最大で火口縁上200mまで上 がりました。 19日未明に、高感度の監視カメラで微弱な火映を観測しましたが、それ 以降は観測されていません。 新岳火口のごく浅い場所を震源とする火山性地震は、概ね多い状態で経過 しています。火山性微動は観測されていません。 22日に実施した東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所、屋 久島町及び気象庁が実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は 、1日あたり500トン(前回10月20日、1000トン)と概ね多い状 態で経過しています。 傾斜計には噴火に伴う特段の変動はみられていません。 10月19日からの火山性地震の発生回数及び火山ガス(二酸化硫黄)の 1日あたりの放出量は以下のとおりです。なお、地震回数及び火山ガス(二 酸化硫黄)の放出量は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあり ます。 火山性地震 火山ガス(二酸化硫黄) 10月19日 33回 600トン 20日 11回 1000トン 21日 35回 ー 22日15時まで 8回 500トン 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、天候不良や観測条件が悪いなど観測 値が得られなかった日は「ー」としています。 口永良部島では、8月以降、新岳火口付近のごく浅い場所を震源とする火 山性地震が増減を繰り返し、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が増加するな ど、引き続き火山活動が高まった状態となっていますので、新岳火口から概 ね2kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性があります。 2.防災上の警戒事項等 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大 きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西 にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお それがあるため注意してください。 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。 次の火山の状況に関する解説情報は、23日(火)16時頃に発表の予定 です。 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。