火山名 吾妻山 火山の状況に関する解説情報 第24号
平成30年10月22日16時00分 仙台管区気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 吾妻山では、小規模な噴火が発生する可能性があります。大穴火口から概
ね1.5kmの範囲で警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 本日(22日)、陸上自衛隊東北方面隊の協力により実施した上空からの
観測では、前回(9月19日)の上空からの観測と比較して大穴火口北西の
地熱域の拡大や新たな噴気が認められる等熱活動が継続していることを確認
しました。

 浄土平観測点(大穴火口の東南東約1km)に設置している傾斜計で、西
北西(大穴火口方向)上がりの傾斜変動が継続しており、火山活動が高まっ
た状態が続いていますので、しばらくは警戒が必要です。
 21日11時14分には、最大振幅が2.3マイクロm/s、継続時間が
約51分10秒の火山性微動が発生しました。
 火山性地震は、8月中旬から増減を繰り返しています。 
 10月19日以降の火山性地震と火山性微動の発生回数(速報値)は次の
とおりです。
                 火山性地震   火山性微動
 10月19日             0回      0回
    20日             3回      0回
    21日             0回      1回
    22日15時まで        1回      0回

 監視カメラによる観測では、21日の火山性微動発生時も含め大穴火口と
その付近の噴気等の状況に特段の変化はみられません。

2.防災上の警戒事項等
 大穴火口から概ね1.5kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散す
る大きな噴石に警戒してください。
 地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
 また、大穴火口の風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石、火山
ガスに注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、26日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。