火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第117号
平成30年9月7日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 9月3日から9月7日15時までの新燃岳の活動状況をお知らせします。
 新燃岳では、火山活動がやや高まった状態が継続しています。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 火口直下を震源とする火山性地震は4日に増加しましたが、5日以降は少
ない状態で経過しています。また、浅い所を震源とする低周波地震が時々発
生しています。
 4日には火山性微動が断続的に発生し、12時51分に発生した火山性微
動では新燃岳の火口方向が沈降する傾斜変動が認められましたが、噴煙など
の状況は天候不良のため不明でした。また、5日13時頃から6日07時頃
にかけて、振幅の小さな火山性微動が継続しましたが、噴煙の状況や地殻変
動に変化は認められませんでした。その後も噴煙などの状況に変化は認めら
れておらず、6日には白色の噴煙が最高で火口縁上100mまで上がりまし
た。
 
 5日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あ
たり400トン(前回8月30日、80トン)と増加しました。
 
 9月3日からの火山性地震、火山性微動の回数は以下のとおりです。なお
、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
            火山性地震 火山性微動
  9月 3日       14回    0回
     4日       51回    6回
     5日        8回    1回
     6日        2回    1回
     7日15時まで   0回    0回
 
 GNSS連続観測では、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考え
られる基線の伸びは継続しており、火山活動の長期化やさらなる活発化の可
能性もあります。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕
流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、新燃岳火口から概
ね2kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。また、地元自治体
等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。
 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性があり
ますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、10日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。