火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第70号
平成30年9月3日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 8月31日から9月3日15時までの桜島の活動状況をお知らせします。
南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模
な火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 
 南岳山頂火口では、噴火が11回発生し、このうち6回が爆発的噴火でし
た。噴煙が最高で火口縁上2300mまで上がり、弾道を描いて飛散する大
きな噴石が最大で5合目(南岳山頂火口より1000mから1300m)ま
で達しました。また、同火口では夜間に高感度の監視カメラで火映を時々観
測しました。
 
 火山性地震は少ない状態で経過しています。また、火山性微動が断続的に
発生しました。
 
 8月31日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のと
おりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあ
ります。
 
            火山性地震 火山性微動 爆発的噴火
  8月31日       14回   27回    2回
  9月 1日       17回    6回    1回
     2日       16回    8回    2回
     3日15時まで   4回    0回    1回
 
 GNSS連続観測では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張
を示す基線の伸びは2018年3月頃から鈍化しているものの、地下深部へ
のマグマの供給は継続していると考えられます。
 
 桜島では、今後も南岳山頂火口を中心に、噴火活動が継続すると考えられ
ます。

2.防災上の警戒事項等
 南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を
描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流
が発生する可能性がありますので留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、7日(金)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。