火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第73号
平成30年8月18日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<噴火警報(噴火警戒レベル4、避難準備)が継続>
 新岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に厳重な警戒(避難準備等の対応)をしてください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島では、これまで主に新岳火口付近のごく浅い場所を震源とする
火山性地震が増減を繰り返しており、8月に入ってからは、火山ガス(二酸
化硫黄)の放出量が増加しています。15日には新岳の西側山麓のやや深い
場所を震源とする地震が増加しました。

 本日(18日)、山麓から実施した現地調査では、前回(16日から17
日)と比べ、噴煙及び熱異常域の状況に特段の変化は認められませんでした
。

 本日、東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び
気象庁が実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、1日あた
り500トン(前回17日、1200トン)で、やや多い状態でした。

 本日、新岳火口で白色の噴煙が火口縁上100mまで上がりました。

 8月15日からの火山性地震の回数は以下のとおりです。なお、地震回数
は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

            火山性地震
 8月15日        37回 (36回)
   16日         1回 ( 0回)
   17日         1回 ( 0回)
   18日15時まで    0回 ( 0回)
      ()内は新岳の西側山麓のやや深い場所で発生した地震回数

 15日の火山性地震の震源は、2015年5月の噴火前(2015年1月
)に発生した地震と概ね同じ場所であると推定され、今後、火砕流を伴う噴
火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に厳重な警戒(避難準備等の対応)をしてください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、19日(日)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。