火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第60号
平成30年8月3日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 7月30日から8月3日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせし
ます。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新岳火口では、白色の噴煙が火口縁上400mまで上がりました。

 火山性地震は、概ね多い状態で経過しています。31日には振幅が小さく
継続時間の短い火山性微動が1回発生しました。

 傾斜計では、31日の火山性微動に伴いわずかな変化がみられました。

 7月30日からの火山性地震の回数は以下のとおりです。なお、回数は速
報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

   7月30日      10回
     31日      10回
   8月 1日      12回
      2日       7回
      3日15時まで 18回

 8月2日から3日にかけて実施した現地調査では、前回(7月13日)と
比較して、噴煙および熱異常域の状況に特段の変化はありませんでした。

 火山性地震は、中長期的には多い状態で経過しており、火山ガス(二酸化
硫黄)の放出量も2014年8月の噴火前の水準には低下しておらず、火山
活動がやや高まった状態となっています。引き続き小規模な噴火の可能性が
あります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、新岳火口から西側の概ね2
kmの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけではなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降る
おそれがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、6日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。