火山名 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) 火山の状況に関する解説情
報 第57号
平成30年6月25日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 6月22日から6月25日15時までの硫黄山の活動状況をお知らせしま
す。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 硫黄山では、4月27日以降、噴火は観測されていません。

 硫黄山の南側の火孔からは、白色の噴煙が最高で100mまで上がるなど
、活発な噴気活動が続いています。また、硫黄山南監視カメラで、引き続き
硫黄山の南側の湯だまりを確認しました。

 GNSS連続観測では、硫黄山近傍の基線で、4月19日の噴火後に山体
の収縮を示す変動がみられていましたが、6月上旬から再び伸びの傾向がみ
られます。霧島山を挟む基線では、3月中旬以降、霧島山の深い場所でのマ
グマの蓄積を示すと考えられる基線の伸びがみられていますが、5月上旬か
ら一部の基線でその伸びは鈍化しています。

 火山性地震は、概ね少ない状態で経過しています。浅い所を震源とする低
周波地震が時々発生しました。火山性微動は観測されていません。

 6月22日からの火山性地震(ごく微小な地震を含む)、火山性微動の回
数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更
することがあります。
 
           火山性地震       火山性微動
  6月22日      18回 (13回)    0回
    23日       4回 ( 2回)    0回
    24日       7回 ( 5回)    0回
    25日15時まで  7回 ( 7回)    0回
                 ()内はごく微小な地震

2.防災上の警戒事項等
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、29日(金)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。