火山名　霧島山（えびの高原（硫黄山）周辺）　火山の状況に関する解説情
報　第４５号
平成３０年５月１８日１６時００分　福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

＊＊（見出し）＊＊
＜火口周辺警報（噴火警戒レベル２、火口周辺規制）が継続＞
　５月１４日から５月１８日１５時までの硫黄山の活動状況をお知らせしま
す。
　硫黄山では活発な火山活動が続いています。
　えびの高原の硫黄山から概ね１ｋｍの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。

＊＊（本　文）＊＊
１．火山活動の状況
　硫黄山では、４月２７日以降、噴火は観測されていませんが、活発な噴気
活動が続いています。
　硫黄山の南側の火孔からは噴煙が最高で２００ｍまで上がりました。硫黄
山の西側５００ｍ付近からは噴煙が最高で１００ｍまで上がりました。

　１５日に韓国岳から実施した現地調査では、硫黄山の南側及び西側５００
ｍ付近からの活発な噴気と噴気音を確認しました。硫黄山の南側の火孔では
数ｍ程度の高さまで泥水が噴出しているのを確認しました。赤外熱映像装置
による観測では、硫黄山周辺の噴気域でこれまでと同様に熱異常域を確認し
ました。また、同日にえびの高原で実施した現地調査では、引き続き硫黄山
周辺の沢で白濁した泥水が流れていることを確認しました。

　火山性地震は、少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されてい
ません。
　
　５月１４日からの火山性地震（ごく微小な地震を含む）、火山性微動の回
数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更
することがあります。
　
　　　　　　　　　　　火山性地震　　　　　　　火山性微動
　　５月１４日　　　　　　　２回　（　２回）　　　　０回
　　　　１５日　　　　　　　０回　（　０回）　　　　０回
　　　　１６日　　　　　　　１回　（　１回）　　　　０回
　　　　１７日　　　　　　　１回　（　１回）　　　　０回
　　　　１８日１５時まで　　０回　（　０回）　　　　０回
　　　　　　　　　　　　　　　　　（）内はごく微小な地震
　
　ＧＮＳＳ連続観測では、硫黄山近傍に設置したＧＮＳＳの基線で、４月１
９日の噴火後に山体の収縮を示す変動がみられていましたが、５月上旬から
その変動は鈍化しています。霧島山を挟む基線では、３月中旬以降、霧島山
の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられる基線の伸びがみられていま
す。
　
　硫黄山では、活発な火山活動が続いていることから、今後の火山情報に注
意してください。

２．防災上の警戒事項等
　えびの高原の硫黄山から概ね１ｋｍの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。
　風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石（火山れき）が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。

　次の火山の状況に関する解説情報は、２１日（月）１６時頃に発表の予定
です。
　なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。