火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第32号
平成30年3月8日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 新燃岳では、爆発的噴火が昨日(7日)は16回発生するなど、噴火活動
が活発化しています。新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾
道を描いて飛散する大きな噴石、及び新燃岳火口から概ね2kmの範囲では
火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、活発な噴火活動が続いています。
 爆発的噴火が7日は16回発生しました。8日15時までは発生していま
せん。
 爆発的噴火に伴い弾道を描いて飛散する大きな噴石が、火口の中心から7
00mまで飛散しました。
 7日06時15分の噴火では、灰白色の噴煙が火口縁上3000mまで上
がりました。気象台が7日に実施した聞き取り調査の結果では、長崎県、熊
本県、宮崎県、及び鹿児島県の広範囲で降灰を確認しました。
 8日15時現在も噴火が継続しているもようですが、天候不良のため噴煙
の状況は不明です。

 7日から8日にかけて、夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました
。

 火山性地震は多い状態が続いています。また、引き続き浅い所を震源とす
る低周波地震も発生しており、空振を伴う振幅の大きな地震もみられていま
す。
 火山性微動は1日から継続して発生しており、振幅も大きな状態が続いて
います。

 3月4日からの火山性地震、火山性微動、爆発的噴火の回数は以下のとお
りです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあり
ます。

              火山性地震  火山性微動  爆発的噴火
  3月 4日        320回     継続     0回
     5日        151回     継続     0回
     6日        518回     継続    18回
     7日        786回     継続    16回
     8日15時まで   200回     継続     0回
 
 新燃岳では、さらに火山活動が高まる可能性があることから、今後の火山
情報に注意してください。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね3kmまで、火砕流が概
ね2kmまで達する可能性があります。そのため、火口から概ね3kmの範
囲では警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が風に流されて降る
おそれがあるため注意してください。
 2011年と同様に爆発的噴火に伴う大きな空振による窓ガラスの破損の
可能性がありますので注意してください。
 また、降灰が続いていることから降雨時の土石流にも注意してください。
 火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が、非常に多い状態となっていることか
ら、風下側では流下する火山ガスに注意するとともに、地元自治体等が発表
する火山ガスの情報にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、9日(金)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。