火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第29号
平成30年3月6日18時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 新燃岳では、本日(6日)14時27分以降、爆発的噴火が断続的に発生
するなど、噴火活動が活発化しています。
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石、及び新燃岳火口から概ね2kmの範囲では火砕流に警戒してく
ださい。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、本日(6日)14時27分以降、16時までに爆発的噴火が
4回発生しました。噴煙は最高で火口縁上2300mまで上がりました。爆
発的噴火が発生したのは2011年3月1日以来です。現在も噴火が継続し
ています。
 本日、九州地方整備局の協力により実施した上空からの観測では、火口内
の東側で新たな溶岩を確認しました。また、火口の中心及び北側付近から噴
煙が上がっているのを確認しました。
 気象台が実施した聞き取り調査の結果では、新燃岳の南側の鹿児島県霧島
市から東側の宮崎県都城市にかけての広範囲で降灰を確認しました。

 火山性地震は多い状態が続いています。また、引き続き浅い場所を震源と
する低周波地震も発生しており、空振を伴う振幅の大きな地震もみられてい
ます。
 火山性微動は1日から継続して発生しており、振幅も大きな状態が続いて
います。 
 3月2日からの火山性地震、火山性微動の回数は以下のとおりです。なお
、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

              火山性地震    火山性微動
  3月 2日        101回       継続
     3日        213回       継続
     4日        320回       継続
     5日        151回       継続
     6日15時まで   262回       継続
 
 新燃岳では、さらに火山活動が高まる可能性があることから、今後の火山
情報に注意してください。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね3kmまで、火砕流が概
ね2kmまで達する可能性があります。そのため、火口から概ね3kmの範
囲では警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が風に流されて降る
おそれがあるため注意してください。
 2011年と同様に爆発的噴火に伴う大きな空振による窓ガラスの破損の
可能性がありますので注意してください。
 また、降灰が続いていることから降雨時の土石流にも注意してください。
 地元自治体等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、7日(水)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。