火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第11号
平成30年2月2日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 1月29日から2月2日15時までの霧島山(新燃岳)の活動状況をお知
らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、火山活動がやや高まった状態が続いています。

 噴煙は白色で、火口縁上概ね100m以下で経過し、最高は400mまで
上がりました。

 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていま
せん。

 1月31日に実施した現地調査では、新燃岳西側斜面の割れ目付近及び割
れ目下方の噴気の状態や熱異常域の分布に、前回(1月18日)と比べて特
段の変化は認められませんでした。

 1月29日からの火山性地震、火山性微動の回数は以下のとおりです。な
お、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

               火山性地震    火山性微動
   1月29日          6回       0回
     30日         12回       0回
     31日         18回       0回
   2月 1日         13回       0回
      2日15時まで     6回       0回

 傾斜計では、新燃岳の明瞭な山体膨張を示す傾斜変動は認められません。
 GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線の伸びが
継続しています。このことから、霧島山の深い場所でマグマの蓄積が続いて
いると考えられますので、火山活動に注意が必要です。

2.防災上の警戒事項等
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね2kmまで、火砕流が概
ね1kmまで達する可能性があります。そのため、火口から概ね2kmの範
囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。
 また、爆発的噴火に伴う大きな空振による窓ガラスの破損や降雨時の土石
流にも注意してください。
 地元自治体等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、5日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。