火山名 草津白根山 火山の状況に関する解説情報 第8号
平成30年1月26日14時00分 気象庁地震火山部

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 本日(26日)、火山噴火予知連絡会拡大幹事会が開催され、草津白根山
の本白根山の火山活動について検討を行い、結果を取りまとめました。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 火山噴火予知連絡会拡大幹事会見解

 草津白根山の本白根山で、1月23日10時02分頃に噴火が発生しまし
た。噴火した場所は、鏡池北火砕丘の火口北側(湯釜の南約1.6km)を
通り東西方向約500mの範囲に分布する新たな複数の火口と推定され、大
きな噴石が1kmを超えて飛散しました。
 振幅の大きな火山性微動が、09時59分から約8分間観測されました。
傾斜計では10時00分頃から約2分間で本白根山方向が隆起し直後に数分
間沈降するような変化が観測されました。主な噴出物は傾斜計で沈降が観測
された時間帯に放出されたと考えられます。
 噴出した火山灰の大部分は、既存の山体の構成物とみられます。一方、火
山灰の付着成分の分析から、高温の火山ガスの関与も認められます。
 噴火時の微動の後に、火山性地震が多数発生し、翌日までには減少してい
ますが、地震活動は少ないながら続いています。また、わずかな傾斜変動を
伴う振幅の小さな火山性微動は、翌日以降も発生しています。
 GNSSによる地殻変動観測ではマグマの動きを示す特段の変化は観測さ
れていません。

 草津白根山の本白根山では、当面は1月23日と同程度の噴火が発生する
可能性があります。
 噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側
では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るため注意してください
。

 草津白根山の本白根山の今回噴火が発生した場所付近では、これまで熱活
動などの火山活動は認められませんでした。今後の本白根山の活動を監視す
るために、観測を強化する必要があります。

2.防災上の警戒事項等
 本白根山鏡池付近から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛
散する大きな噴石に警戒してください。
 噴火時には、風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降る
ため注意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって、窓ガラスが割れるなどのおそれが
あるため注意してください 。
 また、ところどころで火山ガスの噴出が見られます。周辺のくぼ地や谷地
形などでは高濃度の火山ガスが滞留することがありますので、注意してくだ
さい。