火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第104号
平成29年12月22日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 12月18日から12月22日15時までの口永良部島の活動状況をお知
らせします。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 口永良部島では、火山性地震は概ね多い状態で経過しています。
 火山性微動は観測されていません。

 12月18日からの火山性地震の発生状況は以下のとおりです。なお、地
震回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

  12月18日      12回
     19日      12回
     20日       8回
     21日      25回
     22日15時まで 24回

 新岳火口では、噴煙は白色で火口縁上300mまで上がりました。

 18日から22日に東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所、
屋久島町及び気象庁が実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量
は、1日あたり100から300トン(前回16日、200トン)と201
7年4月以降わずかに増加した状態です。

 20日及び21日に実施した現地調査では、前回(6日から7日)と比べ
て噴煙及び熱異常域の状況に特段の変化は認められませんでした。

 地殻変動観測では、火山活動によると考えられる特段の変化は認められま
せん。

 2015年5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低いものの、火
山性地震が増減を繰り返していること、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は
、2014年8月の噴火前よりもやや多い状態で経過していることから、引
き続き噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。向江浜地区から新岳の南西にかけ
ての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、25日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。