火山名 口永良部島 火山の状況に関する解説情報 第100号
平成29年12月8日16時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 12月4日から12月8日15時までの口永良部島の活動状況をお知らせ
します。口永良部島では、火山性地震が増加し火山活動がやや高まっていま
す。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 火山性地震は、2日から3日(期間外)にかけて多い状態となるなど、増
減を繰り返しています。これらの火山性地震は、新岳火口直下のごく浅い場
所で発生していると考えられます。このため、火山活動はやや高まった状態
であると考えられます。火山性微動は観測されていません。
 
 12月4日からの火山性地震の発生状況は以下のとおりです。なお、地震
回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
  12月 4日       4回
      5日       1回
      6日       1回
      7日       5回
      8日15時まで  0回
 
 新岳火口では、白色の噴煙が火口縁上100mまで上がりました。
 
 4日及び6日に東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所、屋久
島町、及び気象庁が実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は
、1日あたり90トンから200トン(前回3日、200トン)と2017
年4月以降わずかに増加した状態です。
 
 6日から7日にかけて実施した現地調査では、前回(11月20日から2
2日)と比べて噴煙及び熱異常域の状況に特段の変化は認められませんでし
た。
 
 傾斜計による観測では、特段の変化は認められませんでした。GNSS連
続観測では、新岳山麓の基線で火山活動によると考えられる特段の変化は認
められませんでした。
 
 2015年5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低いものの、火
山性地震が増減を繰り返していること、噴煙量や火山ガス(二酸化硫黄)の
放出量は、2014年8月の噴火前よりもやや多い状態で経過していること
から、引き続き噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大
きな噴石及び火砕流に警戒してください。向江浜地区から新岳の南西にかけ
ての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るお
それがあるため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、11日(月)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。