火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報 第21号
平成29年10月16日17時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 新燃岳では、活発な噴火活動が続いています。
 新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石及び火砕流に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、本日(16日)16時現在も活発な噴火活動が継続している
もようです。

 本日に入り、新燃岳付近で低周波地震の増加がみられています。
 火山性微動の振幅は、次第に小さくなっていますが、依然継続しています
。

 本日実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、1日あ
たり500トンと昨日(15日、1日あたり11000トン)と比べて急減
しています。
 なお、九州大学より、新燃岳の南西側斜面の数箇所で新たな噴気が上がっ
ているのを確認したとの情報提供がありましたが、本日は天候不良のため、
確認できませんでした。 
 
 地殻変動観測では、新燃岳の明瞭な山体膨張を示す傾斜変動は認められま
せん。

 また、硫黄山の南西3km付近で、10月6日以降、地震が時々増加して
おり、13日の16時から22時にかけて一時的に多い状態となりました。
その後は少ない状態で経過しています。

2.防災上の警戒事項等
 火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな
噴石や火砕流に警戒してください。
 噴火時には、風下側で火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。
 風下側では、火山ガスにも注意してください。また、地元自治体等が発表
している火山ガスの情報にも留意してください。
 爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあ
るため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。
 
 次の火山の状況に関する解説情報は、17日(火)16時頃に発表の予定
です。
 なお、噴煙が火口縁上2000m以上に上がった場合や、火山活動の状況
に変化があった場合には、随時お知らせします。