火山名 霧島山(新燃岳) 火山の状況に関する解説情報(臨時) 第10
号
平成29年10月10日16時15分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 新燃岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石に警戒してください。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 新燃岳では、昨日(9日)15時12分頃から15時53分頃まで傾斜変
動を伴った火山性微動が発生しました。その後、21時21分頃から再び火
山性微動が発生し、本日(10日)15時現在も継続しています。
 火山性地震は、多い状態で経過しているものと推定されます。火山性微動
が時々大きくなっており、見掛け上、火山性地震の回数が少なく計数されて
います。
 
 監視カメラによる観測では、白色の噴煙が火口縁上600mまで上がりま
した。
 
 本日(10日)、鹿児島県の協力により気象庁機動調査班(JMAーMO
T)が実施した航空機上観測で、火口内から白色の噴煙が高さ400mまで
上がっていました。西側斜面の割れ目付近と割れ目の下方では噴気の状態に
特段の変化は認められませんでした。また、明らかに感じる程度の火山ガス
の臭気を感じました。
 
 GNSS連続観測によると、2017年7月頃から霧島山を挟む基線で伸
びの傾向がみられており、霧島山の深い場所で膨張している可能性がありま
す。
 
 10月5日からの火山性地震、火山性微動の回数は以下のとおりです。な
お、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
              火山性地震  火山性微動
10月 5日          86回     0回
    6日         163回     0回
    7日          38回     0回
    8日          46回     0回
    9日         175回     7回
   10日15時まで      1回     1回  

2.防災上の警戒事項等
 火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな
噴石に警戒してください。
 噴火時には、風下側で火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が風に流
されて降るおそれがあるため注意してください。
  引き続き地元自治体等が行う立入規制に従ってください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、11日(水)16時頃に発表の予定
です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。