火山名 浅間山 火山の状況に関する解説情報 第70号
平成29年9月1日16時00分 気象庁地震火山部

**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
 8月28日から9月1日15時までの浅間山の活動状況をお知らせします
。

**(本 文)**
1.火山活動の状況
 今期間、噴煙の状況は、雲のため不明の期間が多いですが、火口縁上概ね
500メートル以下で推移しています。夜間に高感度のカメラで、山頂火口
の微弱な火映を観測しています。

 8月29日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は
1日あたり500トン(前回22日1100トン)とやや多い状態でした。

 2015年4月下旬頃から増加している山頂直下のごく浅いところを震源
とする体に感じない火山性地震は、今期間やや多い状態で経過しています。

 火山性地震、火山性微動の発生回数(速報値を含む)は以下のとおりです
。
                火山性地震  火山性微動
  8月 28日           31回     0回
     29日           53回     1回
     30日           73回     2回
     31日           25回     1回
  9月  1日(15時まで)    10回     0回

 山頂の南南西にある塩野山の傾斜計では、2016年12月頃から北また
は北西上がりのわずかな変化が観測されています。

 火山活動はやや活発な状態で経過しています。今後も火口周辺に影響を及
ぼす小規模な噴火が発生する可能性があります。

2.防災上の警戒事項等
 火口から概ね2キロメートルの範囲では弾道を描いて飛散する大きな噴石
に警戒してください。
 登山者等は地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでく
ださい。
 また風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降
るため注意してください。

 次の火山の状況に関する解説情報は、4日(月)16時頃に発表の予定で
す。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。